【報告】長期研修員が新潟県長岡市を訪問 地域の開発の歴史や復興経験を学びました!

2019年11月27日

2019年11月11日(月)から15日(金)にかけて、JICA東京は長岡市国際交流センター「地球広場」と協働し、長岡市が歩んできた歴史や開発経験、復興経験等を学ぶ地域理解プログラムを実施、日本の大学院に通うJICA長期研修員12名が参加しました。

【地域独自の発展の歴史や復興経験から学ぶ】

長岡市の市議場を見学。市民と議会の一体感を醸成するため、ガラス張りで外から議場の様子が見えるつくりになっており、天井のらせん状のデザインには、議論が活発になるように、という意味が込められています。

長岡市戦災資料館にて。長岡空襲で使われた焼夷弾小弾に実際に触れる研修員。

2004年に起きた中越地震の際、河道閉塞により集落ごと水没した木籠集落を見学。その時に水没した家屋が今もなお保存されている姿を目の当たりにする研修員。

日本は、非西洋国としては世界で初めて先進国になった国です。明治元年から150年が経った今、JICAでは、途上国の発展を後押しするため、国の未来を支えるリーダーとなるJICA研修員らに向けて、欧米とは異なる日本の近代化経験や戦後の開発経験などを伝える取組を幅広く推進しています。

本プログラムはその一環として、JICA東京と長岡市国際交流センター「地球広場」が協働し実施したものです。長岡市は、過去に幾度も戦災や自然災害に遭いながらも、立ち直り、復興・発展を遂げてきました。また、「米百俵」に代表される教育や人材育成を重んじてきた歴史や文化、市民と行政の協働、産業振興などをベースに、レジリエント(*注)なまちを築き上げてきたまちとしても知られています。
*(注)「レジリエント」とは、一般的に、「困難な状況にあっても、うまく適応し、回復する力」という意味。



本プログラムには、インドネシア、ミャンマー、ベトナム、フィジー、パラグアイ、マラウイ、ルワンダの行政官や技術者等12名が参加し、長岡市国際交流センター「地球広場」をはじめ、行政と市民の協働の象徴であるアオーレ長岡、長岡市戦災資料館、長岡震災アーカイブセンター「きおくみらい」、新潟県立歴史博物館、信濃川大河津資料館、寺泊地域、山古志地域等を訪問しました。

参加した長期研修員は、日本のそれぞれの大学院で学位を取得後、母国で知日派・親日派のトップリーダーとして活躍し、日本との架け橋となっていくことが期待されており、本プログラムで得た学びをそれぞれの今後の活動、ひいては自国の発展に活かしていってもらえることを期待します。



【参加した研修員の声】

・長岡市の歴史のみならず、戦災や自然災害からどのように立ち直ってきたのかについて、語り継がれているものや実際に経験した地域の人々の話を聞く中で体感することができた。このプログラムで得た経験・学びを、自国の発展にも活かしていきたい。

・中越地震(2004年)の時に行政と市民が一体となって地域の復興に取り組んでいる姿や、平時からの人々の「助け合い」「協働」の精神が素晴らしく、感銘を受けた。

・プログラムを通して、教育や市民参加、忠実心、諦めない精神などが日本の発展を支えてきたことを学んだ。これから、自分の国の発展に貢献するにあたって、自分もこの精神を忘れずに活かしていきたいと思う。

・地域の発展の歴史のみならず、長岡市が現在抱える問題やそれに対する取組努力についても知ることができ、また長岡市の人々と意見を交換しあえたことは非常に貴重な機会となった。 


                    JICA東京 長期研修課