【報告】横瀬町でJICA研修員と一緒にSDGsを考える - 「2030SDGsカードゲーム体験会」を開催しました -

◆◆埼玉県横瀬町は、JICA東京と協力し、2030SDGsカードゲーム体験会を開催しました。このイベントには、横瀬町や周辺住民に加え、4名のJICA長期研修員が参加。地域の住民と開発途上国からの研修員が、楽しみながら一緒にSDGsについて考える機会となりました◆◆

2019年12月5日

11月18日(月)、埼玉県横瀬町は、JICA東京と協力し、「2030SDGsカードゲーム体験会」を開催しました。横瀬町にはJICA職員が一名出向しており、今回のイベントは、横瀬町が取り組む地方創生と、国際協力を連携させる試みの第1弾です。この体験会には、地域の住民に加え、開発途上国から日本へ留学中のJICA長期研修員も参加しました。

横瀬町のシンボル「武甲山」。ゲームの前にミニツアーを実施。

横瀬町(よこぜまち)は、埼玉県北西部の秩父地域に位置する、人口約8,200人程度の小さな町です。都心部から電車で75分程度とアクセスが良く、武甲山に代表される里山や清流など、豊かな自然に囲まれています。一方、町の人口は年々減少し続けており、このままでは町が維持できなくなってしまう「消滅可能性都市」でもあります。町では様々な取り組みを推進していますが、町内の人材や施設、資金といった自前の資源で対処するには限界があります。そこで、横瀬町は、町をもっとオープンにして、町の外から人やモノ、お金や情報を町に持ってくる必要があると考えました。その一つとして、JICAとの連携がスタートしています。

留学生がグループの議論を発表

横瀬やその周辺では、開発途上国の人や文化に触れる機会はそう多くはありません。一方で、外国人観光客の増加、様々な面でのグローバル化、外国人材の活用、そして自治体でのSDGsの推進など、地方を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。そのような中、横瀬町では、住民にSDGsについてもっと知ってもらうことが必要と考え、今回のイベントを企画しました。
2030SDGsカードゲームは、SDGsに関する特別な知識は必要なく、ゲーム形式で誰でも楽しみながらSDGsの考え方を体験できます。今回の体験会には、横瀬町民や秩父市などの地域住民に加え、インドネシア、ラオス、ミャンマーから計4名のJICA長期研修員が参加しました。彼らは、普段東京や埼玉の都心部で生活をする留学生です。研修員は、一生懸命日本語でコミュニケーションを取ろうとし、また、地域の住民は、英語を交えながらペアを組んだ留学生と活発に意見を交わしていました。

地元の住民と、留学生が一緒にSDGsについて考えました。

ゲームに参加した横瀬町在住の大学生からは、「開発途上国の人と話し、一緒に考えることで、海外への関心が高まりました。」と話しました。また、長期研修員にとっても、日本をもっと深く知る上で欠かせない、地方の魅力に触れてもらえる機会となりました。インドネシアからの長期研修員は、「地域の様々な立場やバックグラウンドの人たちと一緒にゲームに参加できたことは、SDGsの重要な要素である多様性という観点からも貴重な経験でした。」とコメント。また、ファシリテーターを務めていただいた、地元出身のクリエイター・浅見裕さんは、「このゲームを通じて、SDGsをもっと身近に感じてもらい、普段の生活や仕事の中でSDGsを意識するきっかけにしてほしい」と話しました。
横瀬町では、今後もJICAと連携し、SDGsや国際協力に関するイベントなどを実施していきます。

報告者
横瀬町役場まち経営課 勝間田幸太 (2019年8月よりJICAから出向中)