インターンが見た!出前講座を通して見る世界

私たち、インターンの小口、長嶋は、10月27日に行われたマレーシアからの長期研修員による国際協力出前講座に同行しました。「インターンが見た」シリーズ待望の第三弾です!

2020年11月10日

ファラさんとインターンの記念写真

国際協力出前講座は、開発途上国の実情や日本との関係、国際協力の必要性について考える機会を提供することを目的として実施されています。今回は、マレーシアからJICA研修員として来日し、博士課程に在籍しているファラさんが講師となった出前講座を見学してきました。

ファラさんの出前講座

講義をするファラさん

10月27日、埼玉県立入間わかくさ高等特別支援学校にて行われた国際協力出前講座に同行しました。この出前講座は、卒業後に企業就労を希望している高等部単独の特別支援学校の生徒たちが、様々なバックグラウンドをもつ人々について理解を深め、彼らと協働する視点を養うことを目的として行われました。

積極的に参加をする生徒の様子

この講義では、ファラさん自身の経験なども交えながら、日本の生活での経験、日本とマレーシアの文化の相違点、多民族国家であるマレーシアの多様性とその課題、そして多文化共生社会に向けたメッセージを生徒たちにお話しされていました。

●国際交流の経験を活かして日本と世界の接点に●

小口佳那子
コロンビア大学大学院

本プログラムを企画した背景について、お話を伺うことができました。そのことについてご紹介します。特別支援学校を卒業して企業就労をする生徒の中には、職場で外国籍の人と接する機会が多い生徒もいるそうです。そのような職場の中には、日本人従業員が外国人従業員とうまく関係を築くことができない状況もあるようです。しかし、本プログラムをはじめとする同校の国際交流を経験している生徒は、企業実習の中で、外国籍の同僚と共にいることに構えず、その状況を自然に受容して協力できる傾向が見られるようです。また生徒たちは、日本におけるマイノリティとして自分たちと似た境遇の存在として外国人を捉えていたのかもしれません。そして、日本人従業員と外国人従業員の接点となることを、プログラムを運営する教員は期待しているそうです。

長嶋咲穂
東京学芸大学教育学部

このお話を聞いて、出前講座をはじめとする国際交流の意義について再度考えるきっかけになりました。今回の出前講座は異文化について様々な側面から学ぶことによって生徒の視野を大きく広げ、生徒たちの新たな可能性を生み出す機会になったのではないでしょうか。例えば、英語を一生懸命学ぶ生徒や将来は外国で研修を受けたいと希望する生徒もいるそうです!
講座終了後は、生徒たちがファラさんに積極的に質問をして、マレーシアや世界について興味をもっている様子も見受けられました。入間わかくさ高等特別支援学校の生徒たちのように、国籍にとらわれず様々な人々と協働できる社会を目指したいと改めて感じました。



報告者:市民参加協力第一課 インターン 小口佳那子、長嶋咲穂