サイバー攻撃に取り組む研修員たち

皆さんが普段お使いのスマホやパソコンは安全でしょうか。セキュリティ対策は適切に実施されていますか。 コロナ禍で、在宅勤務やオンライン会議が増えたことで、企業がサイバー攻撃を受けるリスクが大幅に増加しています。

2020年12月28日

高まるサイバーセキュリティへの国際的なニーズ

国際的にもサイバーセキュリティへの関心が高まる中、2013年12月に国家安全保障戦略、2018年にサイバーセキュリティ戦略が閣議決定され、日本としてもサイバー空間の安全性の確保が重要課題の一つとして認識されています。

国境なきITスペシャリストの育成 ~各国との連携を目指して~

サイバー空間には国境がないため、サイバー攻撃に対して、適切に対応できない一部の国や地域があると世界全体のリスクとなります。
課題別研修「サイバー攻撃防御演習」は、ODA対象国の行政機関に務めるサイバーセキュリティ担当職員に対し、行われている実践的な研修です。具体的には、委託先であるトレンドマイクロ株式会社(以下、トレンドマイクロ社)が構築した仮想環境を用い、「実際に攻撃されたときにどのように対処すべきか」を実践的に学びます。今回は4名が1チームとなり、「どこからどのように攻撃されたのか」など、与えられたツールを使い、チームで連携して調査・分析を進めました。
今回アフリカ、中東、東欧の5か国8名の研修員を対象に、8日間の研修を実施。アフリカの時差を考慮した結果、日本時間午後3時から11時半までの研修スケジュールに…。対面式と異なり、なかなかコミュニケーションが難しいオンライン環境の中で、研修員また、彼らの国にとって、より良い学びの場となるよう演習中はトレンドマイクロ社のトレーナーが見守り、いつでも質問できる体制を整えていただきました。
今回、研修員から寄せられたコメントや運営側の反省点を生かし、次回の研修をより効果的かつ円滑に実施できるよう、トレンドマイクロ社と連携し、進めていきたいと考えています。
次回は来年2月にアジア圏を対象にオンラインにて実施予定です!

持続可能な開発目標(SDGs)への寄与

SDGs Goal 9

本研修は、日夜発生するサイバー攻撃に立ち向かう各国のセキュリティ実施管理者を育成し、その後も関係を構築し、連携していく点において、SDGsゴール9.1に貢献しています。

※ゴール9.1とは
「経済発展と人間の幸福をサポートするため、すべての人々が容易かつ公平に利用できることに重点を置きながら、地域内および国境を越えたインフラを含む、質が高く信頼性があり持続可能でレジリエントなインフラを開発する。」に寄与しています。

<事業・研修の概要>
12月9日(水)~12月18日(金)実施
課題別研修「サイバー攻撃防御演習」(2019年度分第2回目)
参加国 5か国8名(ウクライナ、パレスティナ、ジンバブエ、ボツワナ、レソト)

報告者:
【E-mail】Kamei.Chihiro2@jica.go.jp 【TEL】03-3485-7659