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コロナ禍におけるオンラインでの知識共創とは? ー課題別研修「水道管理行政及び水道事業経営(B)」と能力強化研修「水道」を合同実施してみてー

2022年1月5日

全国で一年に約400コース実施している課題別研修の中で、「水道管理行政及び水道事業経営(B)」
は、将来的に国際協力分野での活躍が期待される日本の自治体職員と途上国からの研修員が一緒に受講することが特徴の研修です。

研修参加者と運営関係者で合計40名程度が関わる中、初開催のオンライン研修に参加した途上国からの研修員と自治体職員が感じたことは…

プログラム概要  

【画像】将来、専門家として国際協力に携わっていただく日本の自治体職員を対象とした能力強化研修「水道」及び途上国の水道事業に携わる方を対象とした課題別研修「水道管理行政及び水道事業経営(B)」は例年合同で実施していますが、昨年度はコロナ禍により実施に至らず、今年度初めてオンライン開催に挑戦しました。

日本からは東は東京、西は鹿児島に至る10の地方自治体(水道事業体)より10名が参加し、海外からは、中南米、オセアニア、東南アジアの7か国より8名が参加しました。
海外の時差を考慮し、午前を合同のプログラムとし、主に「水道事業経営」「COVID-19と公衆衛生」、「水質及び水安全計画」、「無収水対策」をテーマに講義とグループワークを組み合わせて実施しました。また、午後を日本からの参加者を対象としたプログラムとし、現在または過去に専門家として海外で活動された方や過去に能力強化研修に参加された自治体職員の方に講師として登壇いただきました。

オンラインでの横の繋がりの構築

自治体参加者は普段海外の方と接する機会もない上に、慣れない英語且つオンラインでの研修受講という環境下で、グループワークが成り立つのか、参加者も運営側も当初不安でした。しかし始まってみると自治体参加者がうまくグループをまとめ、研修の効果発現に貢献しました。また、グループによっては、途上国の抱える課題に対し、自治体参加者から具体的にアドバイスを行う等、研修時間外にも自治体職員と途上国からの研修員間で積極的な交流が生まれたことは運営側として大変嬉しく感じました。
対面をオンライン研修へ変更するにあたり、研修デザインの抜本的な見直しや調整等、困難もありましたが、オンライン会議ツール一つで、世界と繋がり、知識を共創できることを実感しました。

参加者からのコメント

運営側としては、試行錯誤しながら、何とか実施までこぎ着けたましたが、終了後に日本の参加者の皆様から運営側のモチベーションが上がるコメントが多く寄せられました。来年度も来日しての実施の目途はたっていませんが、今回参加いただいた水道事業体の方と連携しつつ、バーチャル視察を取り入れる等、より良い研修の実現に向けて、改善していく所存です。
研修員とは、日本または各国で直接会える日を願っています。

以下、参加者からの声抜粋
【自治体からの参加者】
「海外の研修員とこれほど接することが出来る研修は他にない。非常に良かった。」
「今後の仕事へのモチベーションが上がる研修だった。特に講義後のディスカッションでは、海外の水道事業が直面する課題や他都市の課題を知ることができ、今後自身の事業体が取り組むべき課題へのいいヒントになった。」
「各研修員が抱える課題解決のためには、予算不足などを理由にせず、今自分にできることにフォーカスするという姿勢が大切だということを学ぶことができた。コロナ禍の状況で自分の視野が狭くなっている中、こういった視野が広がるような機会を設けて頂けたことに感謝している。」

【途上国からの参加者】
「とてもよく構成された研修プログラムだった。また、日本側関係者から正確さ、規律、優しさを学んだ。」
「日本の水道システムについて、より知識を深めたいので、日本に招待頂けることを期待したい。」
「全ての講義・討議が役に立った。特に水安全計画、水道事業経営、無収水対策は重要だと感じた。」

<研修概要>
研修名: 「水道管理行政及び水道事業経営(B)」
実施期間: 2021年11月30日(火)~12月15日(水)
参加国: ラオス、カンボジア、フィリピン、東ティモール、ミクロネシア、パラグアイ、エクアドル
参加者数: 8名
研修委託先: 公益社団法人国際厚生事業団(JICWELS)