中学校・家庭科で多文化共生を学ぶ?!

群馬県よりJICA東京の教員研修へ参加された天海敦子先生は、ぐんま国際アカデミーで家庭科を指導されています。今回、天海先生の教員研修の学びを活かした授業実践の見学に行ってきましたのでご報告いたします!

2022年2月15日

研修での学びと、大切にしていること   

 天海先生は中学3年生家庭科の「多文化共生と地震対策」という単元において、「協働的なシステムが持続可能な社会を作り出す」という単元目標を達成するために、『太田市でブラジル人と一緒に住むシェアハウスを企画せよ!』というテーマで授業実践を行われました。

 生徒によるグループをNPO法人にたとえ、話し合いは会議、他の班の情報交換は出張と言い換えて行うユニークな授業をされました。生徒たちは日本とブラジルの気候、文化、性格の違いまで調べ、活発に意見交換を行いました。中には本格的に設計図を作成する生徒もいました。「自分たちの考えを実現するにはどうすればいいか?」というところまで生徒たちが真剣に考えている姿が窺えました。

 天海先生はインタビューに対し以下のとおり答えて下さいました。

===今回のJICA教員研修でいちばんの収穫は??
通常の教員研修では触れない場所、大切だとわかっているけれど避けてきた問題に正面から向き合うことができたことです。授業には多文化共生・防災の見学で得たことを還元しました。

===今回の授業から生徒に考えて・気づいてほしい点は?
「Think globally, act locally.世界の問題を知って、地元の課題に取り組む。頭で考えるばかりでなく、行動もしてほしい!」

===天海先生が授業や生徒と接する中で大切にしていることは?
「教えない授業」を心がけています。生徒に興味をもってもらえるようなテーマを考えて、私も知らないことが多いので、みんな教えてね!というスタンスです。私を驚かせようとたくさん調べ、私の想像を超える面白い解決策をクリエイトしてくれます。毎回評価が楽しいです!

===どんな先生でありたいと思っていますか?
「生徒と一緒に分からないことを学んでいける力が大切」と以前校長に言われました。今回のJICA東京の研修のテーマであったSDGsについては教員である私たちも学ばないといけないことばかりです。私もまだよくわからないことが多いのでいい情報あったら教えてね!と生徒を頼りにしていることを伝えています。すると生徒は私に色々教えようと夢中でリサーチし、様々な情報・意見などを伝えてくれます。その時の生徒たちはとても誇らしくキラキラした眼を見せてくれます。
そんな生徒たちと「一緒に学ぶ姿勢を大切にできる」先生でありたいです!

参加申込QRコード

天海先生の授業実践や教員研修の詳細は、
2月26日開催「群馬グローバルセミナー」で
お聞きいただけますので、ぜひご参加ください。

ぐんま国際アカデミー 

ぐんま国際アカデミーは、教育理念に「日々変化を遂げる国際社会の中でリーダーとして必要な能力と知識を備えた国際人の育成」を掲げられています。英語イマージョン教育(授業全体の約7割を英語で実施)による小中高12年間一貫教育を行っているIB認定校(※1)です。

写真左:金子校長、写真右:天海先生


中高等部、金子弘幸校長は「学校は学びの基地であり、ここをベースに学校外でも学びを得てほしい」と生徒のボランティアや研修参加を推奨し、公欠の扱いにしているそうです。また教員にもどんどん学んでほしいと様々な研修の参加を推奨しており、今回、天海先生の「教員のためのSDGs研修」への参加がかないました。

職員だけでなく、生徒も保護者も相談しやすい環境づくりを心がけており、校長室には毎日来客が絶えないそうです。そんな環境であるからか、積極的な生徒が多いように感じました。今後とも、JICA東京の開発教育支援プログラムを活用いただき、次代を担う素晴らしいリーダーが巣立っていくことを願っています。