協力隊Before after~経験者は今、何をおもう?~(前編)

「JICAボランティアセミナー~活躍する卒業生隊員たち~」と題したオンライン講演が神田外語大学で実施され、JICA東京で働く2人が登壇しました。「協力隊って大学在学中でも、大学院に行っても、働いていても、どんな時でも挑戦できるんですね!」「国際協力、って敷居が高いと思っていたのですが、身近なところからできることもあることに気が付くことができました!」と学生に人気だった本講演。登壇者の2人に、学生時代から現在に至るまでの国際協力についての考え方・関わり方・心境の変化をインタビューしました!

2021年6月28日

きっかけは? なぜ協力隊?

【画像】———国際協力に興味を持ったのはいつごろですか?

佐久間:
● 高校卒業後の進路選択が人生のターニングポイントだったかなと思います。大学生になってカナダで慈善活動に参加したり、ベトナムでのインターンシップを経験したりして海外での仕事や生活に憧れるようになったんです。一方で、日本国内の様々なスポーツの国際大会で通訳ボランティアを経験し、自分のこれまでの経験を活かして訪日外国人に貢献することにやりがいを感じるようにもなりました。
● ちなみに、初めての通訳ボランティアはフィギュアスケートのグランプリファイナルで、選手のインタビューのセッティングや会見場への選手誘導などを任せられ、テレビで見ていた有名選手の対応をした時は、とても興奮しましたね、完全にミーハーです(笑)

佐谷:
● 私は、高校の社会科見学でJICAを訪問したこと、協力隊経験者の話を聞いたことが国際協力に興味を持ち始めたきっかけです。
● 大学に入ってから海外ボランティアサークルに入り、東南アジアの住居建築活動に参加しました。またウガンダとケニアに行くチャンスがあり、そこで日本では考えられないような生活や学習環境の中、きらきらと笑う現地の子どもたちを見た時、衝撃を受けました。彼らがよりキャパシティを持って自由な選択肢を得るためにはどうすればいいのか、教育の分野でもっと学びたいと思いイギリス大学院進学を決意しました。

———ほ~、お二人とも10代で国際協力について考えるきっかけがあったんですね。色々なことを経験され、様々な選択肢があったと思うのですが、その中で協力隊を選んだのはなぜですか?

佐谷:
● 大学院で途上国の教育に関するデータや事例をたくさん調べていたんですけれど、実際に現地ではどうなのか、教室からは見えないところが気になりはじめたんです。フィールドワークや旅行ではなく、現地の人と関係を築き、実際の地域社会を深く見たいと思い、「それができるのは協力隊だ!」と考え、参加を決意しました。

佐久間:
● アジア野球大会で通訳ボランティアをした時、パキスタン代表チームの監督から「パキスタンでは、野球を教えられる人がいない。子どもたちは情熱をもってプレーしているのに、それに指導者が応えられないのが悔しいんだ。」という話を聞き、自分の経験を活かして役に立てることがあるのではないかと思ったのがきっかけですね。また、この大会に協力隊経験者もいて、生の声が聞けたことも参加の後押しになりました。その後、大学時代1か月間の海外協力隊(短期派遣)に、卒業後2年間の海外協力隊(長期派遣)にいずれも野球隊員として参加しました。

お二人とも、国際協力・協力隊に参加するきっかけの一つに「協力隊参加者の声を聞いて」があったんですね。今回母校でのセミナーではたくさんの質問があり、参加した学生から、「協力隊について細かいところまで知ることができた」、「今なかなか海外に行けない中での国際協力に対する下がっていたモチベーションが上がった」などの声が聞かれました。「きっかけをもらった側」から「きっかけを与える側」に立場が変わられていて感慨深いです。さて、記事後編では気になる続き「実際に協力隊って?これから海外とはどうかかわりたい?」についてお尋ねしたいと思います。
乞うご期待!

市民参加協力第一課・高橋瑞樹