\報告/ JICA教材で、こんな授業しました!~専門学校・経営学、中学校・国語の授業風景より~

JICA東京よりご提供した教材を活用し授業を展開されている先生より、どんな風に教材を使って授業をしているのか、どの教材がおすすめなのか、教えていただきました。

2021年10月4日

経営学の授業で「SDGs」の視点からビジネス立案!

まずは、千葉モードビジネス専門学校・上松恵美子先生からのご報告です。

「専門課程1年生の経営学授業において、90分授業を2回にわたり『SDGs17の目標をビジネスで解決するとしたらどのようなビジネスがあるのか』について考えました。
 2年生では、本校には留学生が多くいる一方で、高等課程もあり日本人高校生もいるので、『専門課程留学生×高等課程日本人高校生コラボ ~2030年はどんな未来になっているか?~ 』をテーマにSDGs授業を行いました。留学生の母国で抱えている問題や日本人からみた日本や世界での問題をディスカッションしながら意見交換し、10年後、そして30年後はどんな未来になっているかを考えることができました。SDGsといっても、“誰かがやる”のではなく“自分たちがやる”ことだと他人事から自分事へと意識を変える内容になりました。」

今回使った中で、特におすすめの教材は?とうかがうと、次の四つを挙げていただきました。

SDGs解決に資するビジネスとは?グループで話し合いました。

自分たちはSDGsそれぞれのゴールのためにどんなことができるのか、をクラスで話し、共有しました。

1)SDGsカード
 クラスでSDGsについて説明する際に使いました。ゴールの1つ1つ「どういうことだと思う?」とそれぞれ投げかけ、学生がイメージする問題などをみんなで考え合い、説明をするようにしました。カードがあるためイメージが広がりやすく、ビジュアルでも伝わりよかったです。

2)SDGsシール
 考えてもらったSDGsの解決のために必要なビジネスを発表するシートに、あてはまるアイコンシールを貼ってもらいました。どの目標と関連しあっているのかを探すことで、想像以上にたくさんの課題がつながっていると気が付くことができました。

3)共につくる私たちの未来、私たちがめざす世界(SDGs冊子教材)
 17の目標について、世界各地の詳細エピソードが掲載されており授業で紹介をさせていただきました。具体的な世界の様子を知ることができ、学生達も母国の生活を思い出しながら真剣に聞き入っていました。

4)世界地図
 各教室や各校舎に掲示させていただきました。本校では外国人留学生が多く在籍していますので、各国の言葉で「こんにちは、ありがとう」もあり学生の興味を引き付ける内容で、とてもよかったです。

中学校・国語の授業でSDGsを自分ごとに 

次に、名古屋市立山田東中学校・村上邦子先生からのご報告です。

 中学1年生の国語科で活用しました。全5時間の、スピーチの授業です。
 まず、テーマである「17の持続可能な開発目標(SDGs)」を知り、自分ができることを考えました。3時間かけて、それぞれが、興味のある目標についてJICAの資料やタブレットを使って調べ、
2時間で、一人ひとりが、調べたことと自分ができることを発表し、振り返りシートに学んだことを、まとめました。

映像を見せながらSDGsや途上国を説明する村上先生

一人ひとり、自分の考えをクラスで発表!

 振り返りシートの中には、生徒のこんな学びが綴られていて、SDGsを「自分ごと」として考えることができた生徒が多く見られました。

(以下、生徒の振り返りシートより抜粋)
 『全ての目標が関係し、つながっている。特に貧困問題は悪循環のもとになっていると、思った。』
 『家族で話し合ってユニセフのマンスリーサポートをすることにした。』
 『食べ残しをしない。』
 『値引きシールの食品を積極的に買う。』
 『「知る」ことが大事だと思った。』
 『5歳の誕生日を迎えずに死ぬ子どもがいるなんて、かわいそう。自分の命を大切にしたい。』
 『日本はジェンダー平等が遅れている。』」

村上先生は、特におすすめの教材として次の二つを挙げてくださりました。

1)ぼくらの地球調査隊(漫画教材)
漫画の冊子なので、生徒も手に取りやすく、わかりやすかった。

2)映像教材
途上国の現状を見て学ぶことができ、ホームページや書籍などのテキスト情報よりも具体像として、生徒が理解することができた。

不平等のない社会のために…「バリア」とは? 

一人一台わたされた端末を使い、調べながらレポート作成。

最後は、名古屋市立東星中学校・内山忍先生からのご報告です。

 「2年生国語科、単元目標は「持続可能な社会の実現に向けて課題を共有し、行動する」。
 教育出版の教科書94〜103ページ「持続可能な未来を創るためにー不平等のない社会を考えるー」について、5時間かけてSDGsを学びつつ、それぞれが調べたこと、考えたことをレポートにしたためました。
 まず初めに、SDGsとは何なのか、黒板にカードを表示して説明しました。そして、生徒一人一人が、「バリア」について具体的な例を挙げ、それがどのSDGsに関わるかを考え、かつ書き示すことにチャレンジし、「なぜ人は人を助けるのでしょうか」という問いに対する自分の意見をレポートにまとめることができました。」

(報告)市民参加協力第一課・八星真里子