シルクロードの要所ウズベキスタンで高品質シルクを生産

ー 群馬県の協同組合が地元絹織物業の活性化に挑戦 ー     

2021年11月15日

シルクロードの要所ウズベキスタンで高品質シルクを生産 ~群馬県の協同組合が地元絹織物産業の活性化に挑戦~   

 国際協力機構(JICA)は、10月15日、群馬県の日本蚕糸絹業開発協同組合(共同提案 法人:新増澤工業株式会社、長野県)が提案する「ウズベキスタン国高品質シルク生産のための案件化調査」を採択しました。

FR型繰糸機(繭から小枠に生糸を巻取る)

揚げ返し機(小枠に巻き取った生糸を大枠に巻取る)

 日本の絹織物産業の復活には高品質な生糸の安定的な調達が必要です。しかし現在、世界の生糸の 97.5%は中国とインドで生産され、品質は十分とはいえません。このため、日本蚕糸絹業開発協同組合は、3,500年以上の養蚕の歴史を持ち、世界第3位の生糸生産国であるウズベキスタンで高品質の生糸を生産し、日本に輸入販売することを目的とした本事業を立案しました。

 本事業では、繰糸機(そうしき)や煮繭機(しゃけんき)の製造・保守を行う新増澤工業株式会社(長野県岡谷市、星野伸男代表取締役社長)が共同提案法人となり、ウズベキスタンでのビジネス展開を進めるための調査を実施します。日本の高品質な生糸生産技術によるウズベキスタンの蚕糸業の高付加価値化で、日本の絹織物産業の再活性化を目指します。世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」を有する群馬県とシルクロードの中継地点ウズベキスタンをつなぐ本事業の今後にご注目下さい!

【補足情報】
■本調査は、ウズベキスタンでの現地調査(養蚕工程や製糸工程の分析等)を通じ、シルクの品質向上のための効率的な生産方法を見出し、今後のビジネス展開について検討することを目的としています。
■2021年度第一回「中小企業・SDGsビジネス支援事業」は今年6月に公示を行い、本件を含む32件が採択されました。今後の契約交渉を経て契約に至ったものから、順次調査を実施します。
■本調査は「案件化調査/地域金融機関連携案件」として実施されます。「案件化調査」は、途上国の課題解決に貢献し得る技術・製品・ノウハウ等を活用したビジネスアイディアやODA事業での活用可能性の検討、ビジネスモデルの策定を目的としています。「地域金融機関連携案件」は、提案法人と地域金融機関が連携して海外展開を検討・調査することで、SDGs ビジネスの実現性を高めるとともに、地域活性化に一層資することを目的としており、本調査には東和銀行が参加します。