大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト−第2章を開始します−

2017年8月18日

JICAトンガ支所
企画調査員(総合援助調整)
岩田 章一

1.はじめに

2017年3月末に、広域技術協力プロジェクトである大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクトの第2章(以下、フェーズ2)が、対象国8か国の先陣を切ってトンガから開始することになりました。
フェーズ2開始にあたっては、2016年7〜8月と10月にトンガにて現地調査を実施して、トンガの実施機関とプロジェクト実施に関する内容について合意し、討議議事録として11月4日に署名することができました。
この大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクトは、Japanese Technical Cooperation Project for Promotion of Regional Initiative on Solid Waste Management in Pacific Island Countriesといい、通称J-PRISMと呼ばれています。今回は第2章、フェーズ2のため、J-PRISM 2となります。

【画像】

ババウ島のヨットハーバー

【画像】

トンガの高校生たち

2.広域プロジェクト概要

広域プロジェクト全体の目標は次のとおりです。

上位目標

大洋州地域廃棄物管理戦略(Cleaner Pacific 2025(注))に基づき大洋州地域の固形廃棄物管理持続性が向上する。

プロジェクト目標

地域共通のプロジェクト目標

Cleaner Pacific 2025の実施を通じ、大洋州の持続可能な固形廃棄物管理に資する人材及び組織・制度の能力基盤が強化される。

地域協働のプロジェクト目標

固形廃棄物管理に係るCleaner Pacific 2025の実施が地域内協力により適切にモニタリング、推進される。

対象国8か国(2017年8月現在)

トンガ、パラオ、ミクロネシア、マーシャル、パプアニューギニア、ソロモン、バヌアツ、サモア(近いうちにフィジーが加わる予定)

広域プロジェクトの概要については、別の機会に改めてご紹介します。

3.トンガのプロジェクト概要

【画像】

関係者と議論する筆者(左3人目)

【画像】

関係者と議論する木川支所長

【画像】

議論の結果、関係者で合意しました

トンガにおけるプロジェクトは、基本策定調査時から、関係者が一堂に会し、喧々諤々とトンガにとって必要なこと、トンガにとって持続性のあるプロジェクトとするために必要な活動は何かなど議論しました。
プロジェクトを実施するにあたり、公営公社である廃棄物公社(Waste Authority Limited:以下、WAL)を実質のパートナーとして協働することになったところが、フェーズ2の大きなポイントとなります。
WALをプロジェクトの実施機関としたのは、トンガ政府の政策方針をよりどころにしています。WALは廃棄物収益をあげており、政府はこの公社に離島における廃棄物収集を任せる方針をとりました。
もともと離島における廃棄物管理は、保健省が担当していましたが、同省の主たる仕事は医療関係のものです。廃棄物管理専属のスタッフが少なく、予算や機材等が不足していることなどもあり、同省が責任をもって廃棄物管理を実施することは難しい面がありました。
このような政策的なタイミングを踏まえ、フェーズ2ではWALをパートナーとして、まずはババウ島での廃棄物収集サービス開始計画への支援を実施することになりました。
トンガのプロジェクト概要は以下のとおりです。

プロジェクト目標

現場での実施に重点を置いて、トンガ離島における持続可能な廃棄物管理の基盤が築かれる

実施機関

廃棄物公社(WAL)、環境省(MEIDECC)、保健省(MoH)

成果

1)廃棄物管理サービスの全国展開に向けたWALの5か年計画が策定される。
2)ババウ島における廃棄物管理システムの整備実施及び研修を通してWALの離島における廃棄物管理能力が強化される。
3)対象離島のアクションプランが策定され、WALの5か年計画に反映される。

4.今後の活動に期待

【画像】

チームトンガ(右から)保健省シアレ次官、廃棄物公社マラカイ社長、環境省マフィレオ廃棄物管理課長、筆者、JICAトンガ支所アルフレッド所員

トンガの活動は始まったばかりですが、ババウ島で廃棄物収集サービスを開始する2018年1月に向けて、やらなければいけないことを現在実施しています。
例えば、ババウ島での人材雇用(事務、収集、ごみ処分場管理など)、必要なコストの算出、住民への周知など沢山の課題がありますが、WALスタッフとプロジェクト関係者、トンガ支所スタッフで常に連携を取りながら、よい成果がでるように一生懸命取り組んでいるところです。
また、WALのババウ展開に先立ち、在トンガ日本大使館から、中古のごみ収集車、トラックなどが、草の根・人間の安全保障無償資金協力で支援されることになりました。WALにとっては、ババウ展開における貴重な機材が大使館の協力により支援されることになりました。トンガにおけるこのプロジェクトは、このようにさまざまな方の協力のもと、展開が進んでいます。

WALのスタッフは新規事業であるババウ展開に向けて、やる気も高いことから、今後の活動に期待したいところです。

以上