ババウでのサービスが始まるよ!Opening Ceremony in Vava’u.

2018年5月9日

大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト
廃棄物管理地域研修/業務調整
尾上保子

前回は2017年9月に3回目のトンガ訪問を報告しましたが、今回はババウ島でのごみ回収サービス開始式の様子をお伝えします。

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Meleさん(右端)とのミーティング。青年海外協力隊のRikaちゃんも会議に同席してくれました。

大洋州廃棄物管理改善支援プロジェクト・フェーズ2(JPRISM II)のトンガの活動では、「離島へのサービス展開支援」というのがあります。本島であるトンガタプ島で廃棄物管理を担っている廃棄物公社(WAL)がババウ島に支店をオープンし、サービスを開始することになりました!
ババウ島ではJPRISM Iでコミュニティによる自主的な廃棄物回収の仕組みづくりを支援してきましたが、JPRISM IIではその基盤の上に、より持続的な廃棄物管理を目指してWALによるサービスを実施します。WALは、廃棄物処理に必要な資金はサービスを受ける人による支払により賄おうとしています。新たにお金がかかるサービスに対して、住民たちはブーブー言わないのでしょうか??いろいろ大変そうですよね。でも、トンガのカウンターパート達はチャレンジしようとしているのです!

新しいことを始める時は、心配事もありますよね。ここでの心配事は、これまでコミュニティの回収で済ませていた廃棄物回収を、より継続的で安定したWALのサービスに変えていくことに対する住民たちの意見はどうなのでしょうか?ということでした。
そこで、それを良く知るババウ環境省のメレさんに話を聞きに行きました。Meleさんは、いやー、しゃべるしゃべる、2時間くらいほとんど一人でしゃべってくれました。
「WALのサービスが始まることについてメレさんやコミュニティはどう思っているの?」
と率直に聞いてみたところ、
「WALはもっと説明をすべき。今だってコミュニティで回収しているし、何より1か月10パアンガはコミュニティの人たちにとっては厳しいわよ(10パアンガ=約500円)」と。
これはまずいなー、と思いましたがそのまましゃべってもらっていると
「でも、WALが処分場を運営してくれるのはいいことだと思う」と。
また、
「WALが処分場をきちんと管理してくれれば周辺の環境汚染も最小限にできるし、ごみ量やごみ質の把握もできる。今後の廃棄物管理の方針を環境省が考えていく上でもプラスだわ」
「収集も、コミュニティ回収は継続性が課題だし、WALの回収サービスはその点をクリアにしてくれるものだと思う」
「コミュニティへのアプローチをWALがするなら、私も手伝うわ。だいたい、1か月10パアンガって言うから高く感じるのよ。1週間2.5パアンガって言えばアイスより安いわよ」
と、言ってくれました。
心配していた私たちは、「Meleが味方をしてくれるならば」、と安心したのでした。

カラカ処分場

ババウの廃棄物は全てカラカ処分場に廃棄されますが、WALは廃棄物の回収だけではなく、処分場の管理も行います。写真は私がカラカ処分場を訪問した時の写真です。1週間前にWAL本部から処分場マネジャーであるMakisiさんと重機オペレーターのSefoさんが来て、重機を使ってきれいにしたそうです。前回、短期専門家の小田さんからMakisiさんの紹介がありましたが、Sefoさんもかんばっているようですよ。セフォはWALで8年間働いており、今回のババウ訪問ではマキシと共に処分場のごみを寄せて片付けるとともに、ババウ処分場の職員たちに重機の運転トレーニングを行ったと話していました。

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重機でごみを寄せたカラカ処分場の様子。公共事業省から借りた重機が右に写っています。

ところで、WALには処分場でごみを扱うための重機がありません。今回の作業で使った重機は公共事業省から借りたそうです。フェーズ1でもカラカ処分場のために重機を借りていましたが、フェーズ1終了後は処分場に回収されたごみは燃やされることが多かったようです。今回、処分場の管理をWALが行うこととなり、燃やさずに重機できちんと片付けることになりました。後で聞きましたが、公共事業省の大臣はWAL社長のLomuさんのいとこだそうです。大洋州は親戚パワーが強いですが、ババウの廃棄物管理にもそのパワーが発揮されていました。

WALオフィス・オープニング・セレモニー

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ロムさん(左端)は準備の様子を案内してくれました。

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オープンしたてのWALオフィスを視察する来賓の方々。

セレモニーの前日まで、関係者のみなさんは準備に大忙しでした。特に、Lomuさんはオフィスやスピーチ原稿の準備に大忙しでしたが、快く私たちを準備作業が進むオフィスに案内してくれました。セレモニー前にLomuさんとも色々お話ししましたが、彼はこれまで何度もババウに足を運ぶ中で、サービス開始の反対などをはじめとした、いろいろな声が聞こえてきていたのではないかと思います。でも、「どんなことがあってもババウでのサービスをやるぞ、成功させるぞ」という気持ちが言葉のはしばしから伝わってきました。
そして、いつも何でも引き受けてくれて頼りになる業務管理マネジャーのLolaさんの姿が見えません。ホテルでは、彼女は私の隣の部屋みたいですが、朝晩なにやらプリンターが動いている音がします。
朝ごはんのときも、
「Lola朝食に来ないのかい?」
とLomuさんが電話すると
「緊張して食べれないわ。終わったら食べるから今朝はスキップします」とのこと。
セレモニーには、環境大臣、保健大臣、日本大使、ババウ知事、JICAの支所長などそうそうたる来賓が参加されます。Lolaさんは、そのセレモニーの司会をすることになっているんです。
トンガ語では目上の人(王様や貴族、地位のある人)に使う言葉があるそうです。普段使わない言葉なので、Lolaさんは間違えないようにロムさんに原稿を確認してもらったり、練習したりと緊張いっぱいで当日を迎えていました。

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参加者たち。WAL職員のみなさんはオレンジのユニフォームを着ていました。

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開所をよろこぶWAL職員たち。左端がローラです。

そしていよいよセレモニーです。来賓の方々の祝辞に加え、ダンスの披露といったエンターテインメントもありました。セレモニーにはコミュニティのリーダーであるタウン・オフィサー(町長)の皆さん、WALババウの職員の皆さんが参加され、学校の生徒たちもセレモニーのお手伝いをしてくれました。WALのみなさんは、WALのババウ支店の開所を喜んでいるのと同時に、セレモニーが終わってほっとした様子でした。

WALはサービスが本格的に始まる前に、住民にサービスの便利さや良さを実感してもらうためにトライアルで回収サービスを実施していました。セレモニー後にセフォと話す機会がありましたが、トライアル実施中に住民から出てきた意見なども参考に、本番のサービス改善を行っていくつもりのようです。いよいよサービスが本格的に始まりますが、これからのWALの活動が楽しみです。