鍬入れ式挙行で「全国早期警報システム導入及び防災通信能力強化計画」開始

2019年4月11日

八千代エンジニヤリング株式会社
一般財団法人 海外通信・放送コンサルティング協力
国際航業株式会社 共同企業体
業務主任 小林 辰哉

トンガ国は自然災害に対して世界で最も脆弱な国家の一つとされています。地震多発地帯であるトンガ海溝に近く、元来地震・津波のリスクが高いことに加え、平坦な地形が多く、人口が沿岸部に集中していること、また多くの島々に人口が分散しており効果的な災害予警報の伝達や災害発生時の迅速な対応が困難なためです。

本プロジェクトは、防災関連組織間のデジタル無線通信機材や離島を含む一般市民向けのサイレン警報システム及び非常時に自動起動するラジオ受信機などの整備をはじめ、トンガ全域をカバーするAMラジオ送信設備の更新と老朽化した国営ラジオ局(TBC)の再建を行うものです。これにより、自然災害にかかる警戒情報や安全情報の迅速な伝達を図り、自然災害による被害軽減を目指します。

【画像】

本プロジェクトの整備内容

【画像】

TBCラジオ放送局舎(完成予想図)

本プロジェクトは既に調査・計画段階を終え、本年2月東京秋葉原の八千代エンジニヤリング(株)において、在日トンガ大使、実施省庁である気象・エネルギー・情報・災害管理・環境・気候変動・通信省(MEIDECC)Tei大臣をはじめとするトンガ政府側代表者立ち会いのもとで入札会が実施されました。入札会後の滞在期間中、我が国の代表的なラジオ局スタジオや送信設備のある東京スカイツリーなどを見学いただきました。

【画像】

入札会の様子(前列左からMEIDECC CEO、大臣、弊社田中部長、在日トンガ大使)

【画像】

スタジオ見学の様子(右からMEIDECC 大臣、通信局長、TBC局長、MEIDECC CEO)

2019年3月29日、現地トンガタプ島のTBCラジオ放送局舎新設予定地において、Semisi副首相がご臨席され「鍬入れ式」が挙行されました。石井大使のスピーチでは四つのコンポーネントからなる本プロジェクトの説明と、同機材を活用した防災への取り組みなどトンガへの期待についてお言葉を頂きました。

【画像】

副首相Hon. Deputy Prime Minister, Semisi Kioa Lafu Sikaによる基調講演

【画像】

石井哲也駐トンガ王国日本国大使によるスピーチ

【画像】

副首相と石井大使による鍬入れ

【画像】

Tupou Tertiary Instituteの学生による故サローテ女王作曲によるトンガ曲の披露

本プロジェクトは、2019年4月着工、2020年8月完工予定となります。