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平和で安全な社会を目指して

−コンゴ民主共和国で警察官研修を支援−

2009年12月17日

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バ・コンゴ州カサングルでの開講式の様子

11月9日、コンゴ民主共和国のキンシャサ特別州とバ・コンゴ州の2ヵ所で、JICAが支援する「警察民主化研修」の開講式が行われました。この研修は、国家警察の警察官および警察幹部を対象に、「基礎再訓練」「治安維持」「司法警察」「交通警察」などの分野について、2ヵ所の会場で各3回ずつ、2010年3月まで実施されます。開講式の模様が当日の地元のテレビニュースで取り上げられるなど、研修は現地の人々の関心を集めました。

1990年代半ばから十数年にわたり内戦が続いたコンゴ民主共和国では、2002年末に和平合意が結ばれ、その後、大統領、議会の上下両院、州議会の一連の選挙が民主的に実施されました。しかし、東部では依然として紛争状態が続いているほか、一部の地域では、反政府軍のみならず政府軍や警察による略奪や暴行が横行し、国内避難民だけでなく、周辺諸国へ逃れる難民が増加しています。

コンゴ民主共和国の復興を進める上での深刻な阻害要因の一つに、軍、警察、司法といった治安セクターの能力不足や機能不全が挙げられます。特に、警察官の中には最低限の基礎訓練を受けていない人材が多く、人権意識の欠如をはじめとする問題が山積する状態で、警察自体が民主国家における治安維持組織として機能していません。

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開講式での行進。上方に見える横断幕には、この研修を支援するJICAのロゴマークが入っている

そこで、東部地域の紛争終結のみならず全国的に社会秩序を取り戻し、平和を実感できる社会を実現するために、JICAでは2004年5月から2008年3月にかけてキンシャサ特別州とバ・コンゴ州の警察官、約1万2,000人を対象に「警察民主化研修」を実施しました。この研修は、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)のアラン・ドス国連事務総長特別代表が、支援をする日本に謝意を表明するなど、高く評価されています。こうした実績を基に、今年度は前述の2州に加え、2010年1月からいよいよ東部の北キブ州の州都ゴマとオリエンタル州の州都キサンガニでも研修を実施する予定です。これは2002年の内戦終結以後、JICAが東部地域で行う初の協力となります。

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国旗を持っての行進

研修は、JICAが研修プログラムの策定、資金協力、評価・モニタリングと全体の実施を監督し、MONUCがカリキュラム作成、講師派遣、研修現場の調整、評価・モニタリングを実施します。また、治安上の理由からJICA関係者の長期滞在が難しい東部においては、国連開発計画(UNDP)の支援を得る予定です。

国家警察の最高責任者であるジョン・ヌンビ総監は、米崎英朗コンゴ民主共和国JICA駐在員事務所長に、「日本からの素晴しい支援を無駄にせぬよう、われわれも最大限のバックアップを行う。将来、この研修をわれわれの力で実施できるよう、JICAと共に尽力していきたい」と、研修の成果に期待を寄せると同時に、研修への尽力を約束しました。

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コンゴ人トレーナーによる研修

警察分野の人材育成が、ゆくゆくはコンゴ民主共和国の自助努力によって継続的に実施されていくことを想定し、この研修では、トレーナーとして養成された警察幹部が、現場警察官の研修を行う方式を採用しています。こうした一連の流れによって、やがて安全な社会が同国に築かれることが期待されます。

コンゴ民主共和国駐在員事務所