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国家再建への道しるべを探る

−緒方理事長がトーゴのニャシンベ大統領と会談−

2011年06月14日

緒方貞子JICA理事長は6月9日、トーゴのフォール・エソジンナ・ニャシンベ大統領と都内で会談した。

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「人づくりに秀で優れたインフラを持つ日本からの支援に期待したい」と述べたニャシンベ大統領

冒頭、ニャシンベ大統領は、会談の前日に、福島県双葉町の住民が集団避難している埼玉県加須市の避難所を慰問したことに触れ、「東日本大震災の被災者の方々に対して、日本人の友人であるトーゴ国民を代表してお見舞いを申し上げる」と述べ、「激甚な災害に胸を痛めているが、日本人は持ち前の勤勉さと技術力で、必ずや困難を克服すると信じている」と続けた。

トーゴは、1990年代以降、政治的混乱により各国が援助を凍結し、経済的にもマイナス成長が続く厳しい時代を経験した。2007年に国民議会選挙が民主的に実施された後、日本はいち早く協力を再開した。ニャシンベ大統領はこの時の日本の迅速な対応、JICAを通じた協力について、謝意と国家再建への決意を述べ、今回の来日を日本およびJICAとの関係強化につなげたいと希望を語った。

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緒方理事長は「JICAの強みを生かしてどのような支援が可能か共に検討したい」と応じた

緒方理事長は、「今回の来日が実り多いものになることを期待している」と答えた上で、JICAが同国で進めているデジタル地形図作成の技術協力、給水施設整備のための調査について言及。また、JICAの協力の理念にも触れ、「国の発展のためには、インフラのようなハード面での整備に加え、国づくりの基礎となる人材育成、能力強化こそが重要である」と強調した。

より包括的な枠組みによる支援を

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ロメ港を中心としたインフラ整備マスタープラン策定への期待も話題となった

ニャシンベ大統領は「人材育成は国家の発展につながる。そのよい事例が日本であると考えている。また、JICAの人間の安全保障の考え方には大いに共感する」と述べた。さらに、将来のJICAの協力への期待を表明。特に、ギニア湾に面し、トーゴの物流の要であるロメ港を中心とした運輸交通セクターの強化、エネルギー問題と環境(森林伐採)問題、人口の7割以上を占める貧困層への支援となる地方開発、といった開発課題を挙げ、JICAに期待する分野は多い、と続けた。

これに対し緒方理事長は、「人材育成はきわめて重要で、息の長い取り組みが必要」と述べた上で、「確かにトーゴの現状を考えると、多くの人にいち早く裨益するような協力、例えばインフラ整備などによって開発に勢いをつけることも有効なアプローチである」と応じた。

トーゴへの協力は再開後まだ日が浅いが、緒方理事長は、西アフリカ地域への支援を強化するために、コートジボワール支所(注)の体制を強化したことに触れ、「現場レベルで緊密なコミュニケーションを図りつつ、今後の協力について共に検討していきたい」と、会談を結んだ。

アフリカ部アフリカ第四課


(注)現在トーゴにJICAの拠点はないが、コートジボワール支所がトーゴを担当している。