世界の「新年」−こんな新年、ご存知ですか?−(前編)

2015年12月22日

  

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世界には、1年のうちに新年のはじまりが何度もあったり、1月1日ではなく9月から始まったりと、日本とは異なるさまざまな「新年」があることをご存知ですか?

JICAは約100カ所の海外拠点をもち、職員をはじめ、専門家、ナショナルスタッフ、JICAボランティアなど多くのスタッフが各任地で活動しています。そこで、協力の現場からそれぞれの活動や文化・伝統などを紹介しているJICAホームページの人気コンテンツ「世界HOTアングル」との連動企画として、日本で新しい年を迎えるこの時期に、世界の「新年」を紹介します。各国地域への興味の入り口として、ぜひご一読ください。

【トンガ】トンガの新年−人とのつながりや伝統を大切に受け継ぐ−

伝統衣装、タオバラ(腰巻のような布)、カファ(タオバラを止めるひも)、キエキエ(飾りのついたひも)

トンガ王国はその名前の通り、国王(注1)のもと国政が行われている敬虔(けいけん)なキリスト教徒(注2)の国で、日曜日は労働、遊戯、商業が禁止され安息日(注3)として憲法に定められています。人口は約10万人ほどです。

トンガの新年の迎え方を紹介します。まずは、12月31日の夜10時から伝統衣装を着て教会に行き、1年を締めくくるお祈りが12時まで続きます。そして新年を迎えると、ブラスバンドが家を回ったり、花火を上げたりして新年を祝います。朝を迎えた後は、家族と一緒に親戚を訪問して、新年の挨拶を行うのが習慣のようです。

1月2週目の月曜日から土曜日までは、各教会が「Prayers Week(お祈り週間)」と定める習慣があります。この期間は、教会に集まる人が持ち回りでホスト役となり、参加者全員に食事をふるまうしきたりとなっています。朝と夕方2回お祈りが行われるので、どの家も何年かに一度の割合でホスト役を担当します。最近では、食事の準備をする代わりにお年玉のようにお金を配る家族もあるようです。

トンガ名物の潮干狩り豚

このようにトンガは家族、親戚、教会を通した人とのつながり、安息日や伝統衣装など、伝統や習慣を代々大切に受け継いでいる王国です。

トンガで初めて新年を迎えた私は、早朝ジョギング中に港から見える初日の出を拝み、大好きな餅を焼いて一人正月気分を味わい、来年は家族と新年を迎えたいなっとさみしく祈りました。

Ki he kakai siapani, ‘Ofa ke mou ma’u ha ta’u fo’ou fiefia(トンガ語で、日本のみなさん、あけましておめでとうございます。良い年になりますように。)

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左/ブローフォールズ。潮吹き岩、最大18メートルまで潮が吹き上がる 右/ヨットマン憧れのババウ島。冬になるとザトウクジラと泳げるのが有名な島

(注1)現在はトゥポウVI世が国王で、2015年7月4日に戴冠式があり、日本からは皇太子同妃両殿下ご夫妻が参列されました。

(注2)主な宗派は、フリー・ウェズリアン・チャーチ、モルモン教、カトリック教、フリー・チャーチ・オブ・トンガ、トンガチャーチとなっています。
(注3)安息日に営業するには、政府承認が必要となっており、これに違反をすると逮捕されてしまう国です。

レポート:岩田章一(企画調査員、兵庫県出身)

——トンガにおけるJICAの取り組みについて詳しくはこちらからご覧ください。

【カンボジア】新年は3回!−祭壇作り女神を迎えるカンボジアの伝統−

新年の女神を迎える祭壇

カンボジアの新年は3回あります。と聞くとビックリされるかもしれませんが、本当です。

まずは1月1日。これは付き合い程度に1日だけ祝日となり、すぐに平常に戻ります。そして中華系の人が多いので、旧正月も祝います。祝日ではありませんが、大体3日ほど休みます。そしてカンボジア独自の新年は4月半ばで、カレンダー上は3連休になります。皆が1週間以上休み、田舎に帰省してのんびり過ごします。

プノンペン市内スーパーに飾られた、女神の降臨を表す新年のオブジェ

プノンペンの街頭に飾られた、新旧の女神の交代を祝う看板

年の始まりは仏教の暦と占いによって計算され、毎年日時が異なります。新年を迎えると干支も改まるので、新年になると毎年の干支に合わせた女神が天から降りてくるという言い伝えがあります。各家庭が大晦日になると家の前に、女神を迎えるための祭壇を作り、花やろうそく、ジュース、バナナ、ちまきなどのお供え物で飾ります。

私はカンボジア人の家庭に暮らしているのですが、たとえ新年が真夜中であっても、皆、寝ないで女神の降臨を待ちます。ただ、「女神が降りてくる」と言っても目には見えないので、それを生身の人間が再現する国営テレビの番組があり、それを見ながら新年を迎えるのがわが家の恒例です。

2015年4月の新年は、馬(日本では午=うま)を従えた女神とその従者たちに迎えられてヤギ(日本ではヒツジ年)に乗った女神が降りてきて、「馬の女神のお姉さまの後を引き継ぎ、今年1年をお守りします」と誓ったあと、馬の女神を見送りました。

カンボジアの4月は1年で一番熱く35度以上になるのですが、新年を迎えるといよいよ雨期の始まりで、少し気温が下がります。それもあって、カンボジア人はみな新年を心待ちにしています。

レポート:眞野ちひろ(ナショナルスタッフ、千葉県出身)

  

——カンボジアにおけるJICAの取り組みについて詳しくはこちらからご覧ください。

「世界HOTアングル」では、エチオピアと南アフリカで活動するスタッフより、それぞれの「新年」を紹介しています、ぜひご一読ください!

【エチオピア】古代エジプトとシバの女王が起源、エチオピアの新年

シバの女王とソロモン王の初会見を表した絵(部分模写)

レポート:大西寛(シニア海外ボランティア、兵庫県出身)

  

——エチオピアにおけるJICAの取り組みについて詳しくはこちらからご覧ください。

【南アフリカ】みんなで肉!−虹の国、南アフリカの暑いクリスマスとお正月−

「Braai」上手な南ア男子

レポート:小峯百合恵(職員、福岡県出身)

  

——南アフリカ共和国におけるJICAの取り組みについて詳しくはこちらからご覧ください。

後編では、コスタリカ、スリランカ、ブラジル、ヨルダン、イランの「新年」を紹介しています。ぜひ、合わせてご覧ください。