秋篠宮同妃両殿下、眞子内親王殿下並びに佳子内親王殿下がJICA専門家にご接見

2016年9月9日

ご接見を賜った4人の専門家(左から蛭田さん、佐藤さん、風間さん、白石さん)

アジア、中南米、アフリカで活動したJICA専門家4人が、8月26日、東京・元赤坂の秋篠宮邸で、秋篠宮同妃両殿下、眞子内親王殿下並びに佳子内親王殿下にご接見を賜り、それぞれの活動を報告した。JICAからは入柿秀俊理事と高島宏明国際協力人材部長が同席した。

帰国した専門家は、2004年3月からほぼ年1回、4〜5人ずつ秋篠宮同妃両殿下にご接見を賜っている。13回目となる今回、ご接見を賜ったのは風間秀彦さん(山梨県出身)、白石眞之さん(埼玉県出身)、蛭田(ひるた)英明さん(東京都出身)、佐藤香子(こうこ)さん(岩手県出身)の4人だ。

大学教育向上、湖流域の総合管理支援に尽力

供与機材の使い方を指導する風間さん(左から2人目)

風間さん(元埼玉大学工学部)は、2008年5月から今年3月にかけて、東ティモール国立大学工学部で、教員の能力向上や学部・学科の運営方法確立などを支援した。ポルトガル、インドネシアの長い統治を経て2002年に独立した東ティモールでは、風間さんが専門とする理数科系の教育レベル、教員の教育・研究能力ともに低いため、その引き上げを目指した。

風間さんを始め、日本の複数の大学による支援が功を奏し、教官の研究・授業スキルも大きく向上しつつあり、学生による授業評価でも改善が確認されている。時間に対する概念の違いや言葉など、当初は戸惑うこともあったが、理解し合うことで良好な信頼関係を築き、大学教育の質向上につながる支援を実現した。

パラグアイ電力公社イグアス湖深浅測量チーム(左から2人目が白石さん)

白石さん(中央開発株式会社海外事業部専門部長)は、今年3月から来年6月にかけて、パラグアイのイグアス湖流域総合管理体制を強化するプロジェクトに携わっている。パラグアイ電力公社がイグアス湖流域を持続的に管理していくための根拠になる浸食・堆砂の科学的データの収集・分析と、流域の総合管理計画の作成を支援する。

通常、コンサルタントに委託することが多い調査や、管理計画の作成を、カウンターパートのパラグアイ電力公社など関係機関の職員が担い、専門家として白石さんが支援・協力する形で実施。今後、現地スタッフだけで調査や管理が行えるようになる技術移転を目指している。

ザンビア農家向け灌漑、エルサルバドル東部地域開発を支援

簡易マニュアルを使って農家に技術を伝える普及員

蛭田さん(株式会社三祐コンサルタンツ海外事業本部技術第一部技術課長)は、2013年4月から来年6月までの期間、ザンビアで実施されている小規模農民のための灌漑(かんがい)開発プロジェクトを副総括として支えている。簡易な技術で多くの農民が恩恵を受けることを目指したプロジェクトで、木や草、粘土など入手しやすい材料を用い、農民自らが灌漑施設の建設、水路の掘削、農地の開拓までを行っている。

プロジェクト開始からこれまでに育成した132人の農業普及員が農家グループに技術を普及し、500を超える地区で合計510ヘクタールの農地への灌漑が実現。豊かな水源を得られるようになった農家は7,820世帯に上る。農民のオーナーシップを醸成しつつ低コストで実現できる灌漑がザンビア農家の貧困脱却につながるよう、今後も支援を続けていく。

確かな信頼関係を築いた関係者と(右から2人目が佐藤さん)

佐藤さん(JICA中南米部)は、2014年4月から2016年4月まで、エルサルバドルの東部地域開発促進を担当する企画調査員として、JICAプログラムの円滑な進行を支援した。東部地域は内戦の被害が大きかったことから、貧困率が高く、国外への出稼ぎ者からの送金依存度が高い。JICAはさまざまな形態の支援を組み合わせた東部地域開発プログラムを実施している。

新規案件の形成に一緒に取り組んだエルサルバドル政府の担当者と、主張が折り合わず激しい協議を繰り返していたが、実は性格や考え方が似ているからこその衝突と気付く機会が訪れた。それを機に距離が縮まり、信頼関係も深まったことで、良好な形で案件形成を進めることができるようになった。「現場での信頼関係が国際協力の基礎」だと再認識させられたと振り返る。

国際協力への深い理解が励みに

ご接見後、JICA本部(東京都千代田区)に戻った専門家4人は、秋篠宮同妃両殿下、眞子内親王殿下並びに佳子内親王殿下が温かく迎えてくださり、4人のそれぞれの活動についての報告を強い関心を持って聞いてくださったと話した。

また、「とても緊張したが、細やかなお心遣いにリラックスしてお話しすることができた」「どの国、どの分野についても鋭い質問があるなど、知識の広さと深さにも感激した」「信頼関係の重要性に共感していただけ、今後の励みになった」などと述べた。