日本・ベトナム共同で世界水準の人材育成を 日越大学が開学――JICAはプロジェクトや調査で開学後も継続支援

2016年9月12日

9日に行われた開学式

9月9日、ベトナムの首都ハノイで、日本とベトナムが共同で準備を進めてきた「日越大学」が開学した。開学式には、第1期生となる新入生72人のほか、日越友好議員連盟会長である自民党の二階俊博幹事長、文部科学省の樋口尚也政務官をはじめとする、開学を支援してきた両国政府・議会関係者や企業・関連団体関係者らも出席した。

開学に先立ち開催された記念シンポジウムには、内閣官房副長官(当時)として首相官邸で日越大学構想を推進してきた世耕弘成経済産業大臣らも記念講演を行うなど、大々的な式典となった。

関連リンク:

JICAは、日越大学構想の最初のステップである修士課程設立のため、カリキュラム策定、教員派遣や大学運営など幅広く支援。続いて計画されている学士課程や博士課程の設立に向けた事前調査も担当しており、今後も必要な支援を行っていく予定だ。

日本・ベトナム両国が求める人材を育成

修士課程の授業が始まったミーディン・キャンパス

日越大学の開学は、2010年に「日本の協力を得て、ベトナムに質の高い大学の設立を検討する」と盛り込まれた日越共同声明が出発点。日越共同の人材育成プログラムとして、日本・ベトナム両政府の主導で準備が進められてきた。

日越大学は、持続可能な発展を続けたいベトナムと、グローバル化が進む中、多くの企業がベトナムを魅力的な市場ととらえている日本の、双方にとって必要な人材を育成する教育機関としての役割を担う。さらに、世界中で活躍できる優秀な人材の輩出を目指す。

このたび設立した修士課程に続き、学士課程、博士課程を順次設立し、将来的に、学生数6,000人規模の総合大学を目指して整備を進める計画だ。

修士課程の講義は首都ハノイのベトナム国家大学ハノイ校近くのミーディン・キャンパスで開始したが、将来的には移転の予定。ハノイ中心部から約30キロ西に位置するホアラック地区で開発している、ベトナム初の科学技術拠点都市「ホアラック・ハイテクパーク」の一角などに、日越大学のキャンパスを建設する。

JICAはプロジェクト、調査などを通じ支援

昨年12月には、JICAの協力で修士課程を紹介する式典を開催

紹介式典には大勢が集まり、会場を埋め尽くす関心の高さ

今回、開設したのは修士課程6専攻で、幅広い視野を持つ学生を育てるため、文理横断型の教育プログラムを採用。日本の大学がカリキュラムの作成や実際の教育・研究活動を支援し、授業の半分は日本の教授陣が担う。また、日本文化や日本式ビジネススタイルへの理解を深めるため、日本語教育や、日本企業・在ベトナム日系企業でのインターンシップなどがカリキュラムに組み込まれる。

JICAは、修士課程の設立を技術協力プロジェクトにより支援。東京大学をはじめ日本の多くの大学の協力を得て、授業を行う教員や、大学運営に必要な専門知識や経験を持つ専門家を派遣。組織・運営体制整備や、カリキュラム開発の支援などを実施している。開学後もモニタリングを行い、2年目以降のカリキュラムと講義内容の改善への反映など継続して支援する。

JICAではまた、新キャンパスへの移転や、学士課程・博士課程の設立など、大学の全体構想に関する事前調査を支援中。日越大学の将来計画の策定に役立てられ、ベトナムの将来を担い、日本・ベトナムの架け橋となる人材育成につながること、そして世界に開かれた大学になることが期待されている。

日本とベトナムは今後、日越大学をベトナムの新たな「Center of Excellence(最高水準の教育・研究・人材育成拠点)」にすべく、計画の実現を目指す。ベトナムの持続的な発展、日本との友好関係の強化につながる日越大学の整備を、JICAもさまざまな側面から支援していく。