11月5日は、初めての「世界津波の日」――日本の経験を世界の防災・減災に役立てる

2016年11月4日

今年、初の「世界津波の日」を迎えるにあたり、JICAがこれまで行ってきた津波防災協力や世界津波の日に関連した活動を紹介します。

インドネシアやチリなど世界中でJICAが津波被害の軽減を支援

東松島市の漁師と共に漁業実習を行うバンダ・アチェ市からの研修員

2004年に発生したスマトラ島沖大地震・インド洋津波。最も大きな被害を受けたインドネシア・アチェ州のバンダ・アチェ市では、約7万人が死亡し、海岸線から内陸2キロまでで全半壊家屋が約1万3千戸を数えるなど、大きな被害が出ました。

JICAは被災直後から緊急援助を実施。その後も復興計画作りや、水道や道路などのインフラの再建、被災コミュニティの支援などを続けてきました。

また、東日本大震災で被災した宮城県東松島市との間でお互いに自治体職員や住民が学び合うなど「相互復興」を目指した新しい形の協力が始まっています。

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日本の協力により建てられた避難タワー。普段はコミュニティ活動に利用されている。(バンダ・アチェ市)

「世界津波の日」制定を記念し、JICAインドネシア事務所はアチェ州と共催で、11月3日から5日にかけて津波防災セミナーを開催。バンダ・アチェ市とその近郊では、今も多くの学校が2004年の津波浸水地域にあり、津波への備えが不可欠です。

東日本大震災を経験した岩手県の教員なども参加し、アチェ州職員や被災地の学校教員・生徒および住人たちと効果的な防災教育についての意見交換や避難訓練などを実施する予定です。

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津波ハザード地域を示す標識

1960年のチリ地震津波(注1)を始め、何度も津波の被害を受けている南米の国チリ。

JICAは内務公安省国家緊急対策室(ONEMI)と連携し、「精度の高い津波警報手法の開発」や「津波被害に強い地域・市民を作るためのプログラムの提案」など、津波の被害を最小限に防ぐための協力を実施してきました。

JICAとの取り組みから得た知見を生かし、ONEMIはチリ国内での津波防災の啓発や避難訓練の実施など、独自の対策を推進。日本と共に中南米諸国に対する技術移転を行っています。

これらONEMIの活動は国内外でも高い評価を受け、10月31日に「世界津波の日」制定を機に創設された「濱口梧陵国際賞」(国土交通大臣賞)が贈られました。(注2)


(注1) マグニチュード9.5という観測史上最大の超巨大地震により発生した津波は太平洋を横断し、日本の三陸地方にも大きな被害をもたらした。
(注2) 同賞は、津波防災をはじめとする沿岸防災技術分野で顕著な功績を挙げた国内外の個人又は団体などに贈られる。

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津波対策には世界的な取り組みが必要

東日本大震災の被災地で津波災害からの復興を学ぶ研修員(宮城県東松島市)

津波は、地震が発生した国や地域だけではなく、海洋をわたり地球の裏側まで大きな被害を及ぼすことがあります。その特性から、被害を最小限に食い止めるには、国や地域の枠を越え、世界全体で取り組まなければなりません。

津波による被害をできる限り少なくするため、今後もJICAは開発途上国の津波対策への取り組みを支援していきます。