カンボジアで日本式救命救急センターが本格始動――初の「病院まるごと輸出」を海外投融資で支援

2016年11月9日

救命救急センターが始動したサンライズジャパンホスピタル・プノンペン

10月31日、カンボジアの首都プノンペンにJICAの支援によって設立されたサンライズジャパンホスピタル・プノンペンで、救命救急センターが全面稼働を開始しました。

高度医療を担うスタッフを日本の病院と現地で育成

50名を超える現地スタッフが北原国際病院での研修に参加

急激な経済成長による生活の変化のため、カンボジアをはじめとする新興国でも、生活習慣病や交通事故の増加に対応する「高度医療」のニーズが高まりつつあります。日本式の医療サービスの提供によって、現地の医療水準の向上を目指す本事業では、病院の施設や最新医療機材の提供に加え、運営や人材面でのサポートも特徴です。

サンライズジャパンホスピタル・プノンペンのオープンに先立ち、昨年から現在まで5期にわたり、現地で働く医師や看護師などをこの事業に深く関わる東京都八王子市の北原国際病院に招いて研修を実施。JICAの協力のもと、実際の医療現場で、日本の医療機器を使用して実践的な研修を行ってきました。

最新の医療設備を備えた院内

さらに、同国には十分に取り入れられていない脳神経外科の整備も同病院にて進行しています。日本の医療機器を導入するとともに、日本人医師と看護師が常駐。日本で研修を受けたスタッフと協力し、質の高い高度医療サービスを展開していきます。

海外投融資を活用した医療拠点整備事業

この事業のもう一つの画期的な点は、JICAの海外投融資業務として初のプロジェクトファイナンス案件であることです。対象は日揮株式会社、株式会社産業革新機構、キタハラ・メディカル・ストラテジーズ・インターナショナルが出資するカンボジア法人が設立した民間病院「サンライズジャパンホスピタル・プノンペン」の医療整備事業。JICAは資金融資を通して、同民間病院の設立・運営を支援しました。また、医療スタッフの実践的な研修にもJICAが協力することで、日本の技術・ノウハウを活用した医療サービスを施設面と運営面の両方から「まるごと」提供しながら、カンボジアの疾病状況の改善を目指しています。

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日本の医療技術を開発途上国で生かす

左より小田原外務大臣政務官、フン・セン首相

開院に先立って行われた開院式典には、フン・セン首相をはじめカンボジア政府関係者など1000人を超える来賓が出席。日本からは安倍首相の祝辞を携えた小田原潔外務大臣政務官が参加するなど、日本とカンボジア両国から本事業に寄せられる期待の大きさがうかがわれました。

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日本政府の「日本再興戦略」および「インフラシステム輸出戦略」においては、途上国の医療水準の向上に日本医療の技術や経験を生かすため、JICAの投融資を活用することに期待が高まっています。日本の医療の国際展開を通じて、開発途上国の多くの人々の健康が守られるよう、これからもJICAは現地のニーズに応えた活動を支援していきます。

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