【ASEAN共同体発足から1年】東西経済回廊の要衝「第2メコン橋」、陸の連結担い10年——日本企業進出でラオスに活気

2016年12月14日

インドシナ半島中部を貫く「東西経済回廊」。東はベトナム・ダナン港から、ラオス、タイを通過し、西はミャンマー・モーラミャインまで、1本の道路がASEAN諸国の陸の連結性を高めています。

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その回廊沿いにあるラオスと、タイとの国境を縫うように流れる大河メコンに架かるのは、全長1,600メートルに及ぶ「第2メコン橋」。円借款事業によるJICAの支援で建設されました。

2006年12月の開通から10年。二国間の早くて効率的な人・物の移動のみならず、内陸国ラオスに日本企業が相次いで工場を新設するなど、回廊沿線地域の経済発展に貢献しています。

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(写真キャプション:夕日に照らされた第2メコン橋。写真提供:久野真一/JICA)

タイーラオス間の交通量は8倍に、住民の生活向上も   

第2メコン橋の交通量調査(2015)

橋梁の通行状況を把握するため、JICAは、2015年に第2メコン橋における交通量調査を実施しました。2009年調査と比較すると、1日あたりの交通量は256台から2015年には1,947台と、約8倍にのぼりました。

出入国手続きを除き、橋梁自体の通過時間は約5分。タイからラオスへ砂糖を輸送する業者は、かつてフェリーで2日かかっていたところ、同日中に届けられるようになり、20パーセントの輸送コスト削減を実現したと言います。

ラオス文化財「インハン寺院」では増加した観光客からの入場料をメンテナンスに当てているという 写真提供:久野真一/JICA

急増しているのは、旅客者数。橋の両端地域の観光促進のみならず、特にラオス側の住民にとって、国境を越えた社会サービスを享受できる機会が拡大しています。大学や職業訓練校のサービスや設備等が、より充実しているのは、タイ側の町ムクダハン。ラオスから就学し、寮生活を送り、休日には橋を渡って帰省、また、夜間の救急患者の搬送も可能になるなど、生活水準の向上にも貢献しています。

経済特区に日本企業進出、物流・雇用促進に拍車  

ラオス、タイの陸の連結に、近年、日本企業も動きました。

ラオス側の町、サバナケットに2003年に完成した同国初の経済特区に、約10年を経てトヨタ紡織、アデランス、ニコンなどが続々と工場を稼動。2003年のJICA支援による国道9号線改修事業完了、そして3年後の第2メコン橋開通というインフラ整備が契機となり、内陸国ラオスの地方都市が、製造・物流の拠点として脚光を浴びたのです。

西のミャンマーへ、新たなる橋梁架け替え支援

橋梁までの道路にも路面変状・波うちなど損傷が

そして、東西経済回廊の西にも、近い未来、新しいルートが誕生します。JICAは2015年10月、ミャンマー政府との間で円借款契約を締結。重量車両の通行制限がある3橋の架け替えを実施予定です。アジア開発銀行及びタイ政府と連携し同ルートを整備しており、バンコク—ヤンゴン間の自動車による移動時間は、3.5日から1.9日へと短縮すると予測されます。

昨年末の共同体発足により、今後いっそう人・物の動きが加速するASEAN。JICAは、「質の高い成長」を目指した回廊整備支援を今後も進めていきます。