アフリカの持続的成長を支えるマスタープラン——東アフリカの「北部回廊」開発

2017年1月17日

ケニアからウガンダ、そして、ルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国へ—東アフリカの国々をつなぐ重要幹線が「北部回廊」です。この地域でJICAの支援を受けて策定されている『北部回廊マスタープラン』が、2017年4月に完成します。この計画では、ケニアのモンバサ港を国際的な玄関として、ルート近隣の産業開発を促進し、地域全体の活性化を目指します。

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都市化の弊害を乗り越える計画に

陸路輸送ではコンテナを積んだトラックが、首都カンパラの道路に並び交通渋滞を起こす(ウガンダ)

日本は、2013年の第5回アフリカ開発会議(TICAD V)において、アフリカの複数の主要回廊の広域開発計画の作成を公約。「北部回廊マスタープラン」の策定は、その成果の一つとなります。

この地域では、輸入と輸出の割合が9:1という圧倒的な輸入の超過と、貨物の急増により物流の停滞が発生しています。また、ケニアのナイロビやウガンダのカンパラなどの首都に機能が一極集中した結果、地方部の開発が停滞するアンバランスな状況も生まれています。

貨物流通量が増え続けるモンバサ港。JICAの支援により拡張整備が進む(ケニア)

さらに、北部回廊地域での貨物輸送量は、毎年20%ずつ増加。モンバサ港を経由する輸出入量は2030年には現在の2倍以上に達すると試算されています。経済成長が著しいアフリカにとって、圧倒的に不足している輸送インフラの改善は喫緊の課題です。

地域の力を引き出す「北部回廊マスタープラン」

ケニアやウガンダには、コーヒーや加工食品、また、今後生産が期待される原油や鉱物資源などの輸出に資する産品が豊富です。また、現在輸入に頼っている米をはじめとする食料も自給できる潜在力を有しています。さらに、食肉や皮革、プラスチック製品や観光業など、地域経済に貢献できる商品やサービスもまだ眠っています。

地域の物流網の整備と共に、これらの各地域の産業を育てて経済の成長を促し、民間投資を呼び込むことを、マスタープランでは目指しています。

綿密な調査に基づいたインフラ整備に加えて、人材育成や安全・環境配慮にいたるまでの技術協力を含めた支援は、日本の強みの一つです。さらに、関連産業を活発にする戦略を作る北部回廊マスタープランは、現地ではアフリカの開発に影響力を持つEUや世界銀行などからも注目されています。

パートナーとともに、地域一丸となって取り組む

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北部回廊マスタープランの国際セミナー。ケニアからは運輸・インフラ省副次官、ウガンダからは公共事業運輸省国務大臣も出席(ナイロビ)

2016年11月28日、JICAは、北部回廊マスタープランに関する国際セミナーをナイロビで開催しました。この会合には、政府関係者や投資へ関心を持つ民間セクターから90名を超す参加者が集まりました。また、ケニアおよびウガンダの政府高官からは、北部回廊マスタープランを閣議で承認し国家計画に組込む予定であることが伝えられ、計画の実現に向けた大きな一歩を踏み出しました。

マスタープラン策定後は、2030年を目標として物流網などの整備が進められることが期待されます。さらに北部回廊に隣接する他の回廊(注)との連結性も強化することで、広大なエリアに市場を創り出すことが望まれます。

なお、モザンビークのナカラ港から延びる「ナカラ回廊」のマスタープランは、2016年11月29日にモザンビークで閣議承認がされました。また、ブルキナファソ、コートジボワール、ガーナ、トーゴの4カ国を対象にした「西アフリカ成長リング」でも、マスタープランの策定支援が進められています。

JICAは引き続き、これらの「経済回廊」計画策定と実施を通じて、アフリカの力強く安定した経済成長に寄与していきます。

注:
ケニア中央部の「LAPSSET回廊」、エチオピア・南スーダンとケニアをつなぐ「カンパラージュバーアジスアベバージブジ回廊」、タンザニアからルワンダ・ブルンジに向かう「中央回廊」

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関連ファイル:北部回廊(英語パンフレット、PDF)