アフリカ、世界に先駆け地域全体でSDGs達成に取り組む――活動計画策定をJICAが支援

2017年2月21日

世界各国が「持続可能な開発目標(SDGs)」の推進に取り組む中、アフリカでは54ヵ国全体での目標達成を目指し、国際NPO法人「アフリカ地域持続可能な開発目標センター(The Sustainable Development Goals Center for Africa:SDGC/A)」が設立されました。

JICAは、これまで現場で得られた知恵を結集し、SDGC/Aの活動計画策定を支援します。

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SDGC/A開所式の様子(ルワンダ政府提供)

SDGC/Aとは…     

2015年9月に国連総会で合意されたSDGsの精神は、「誰一人取り残さない―No one will be left behind」。貧困や飢餓の撲滅、エネルギー、気候変動対策、平和的社会の実現など、17の目標と169のターゲットから成り、開発途上国、及び、先進国のすべての国々が達成に向けて努力することとされています。

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しかし、自国の戦略と、SDGsの目標・ターゲットとを整合させ、具体的な計画・実行、そしてモニタリング・評価を行っていくことは、世界のどの国においても容易ではありません。

特にアフリカでは、干ばつや洪水など、地球温暖化による影響も受けやすく、2014年に発生したエボラ出血熱による混乱は、保健システムも依然として脆弱であることを示しました。暴力的過激主義の拡大も大きな脅威です。

他方で、ケニアのサファリコム社による携帯電話を用いた送金サービスがアフリカ全土に普及し、銀行口座を持たない人々にとっての金融手段となり、また、ドローンによる薬・医療用血液の配送が一早く実用化されるなど、最先端テクノロジーが芽吹いています。

そこで求められていたのは、SDGs推進のための地域横断的な中核拠点であり、その役割を担うのが、SDGC/Aです。主に以下の4点を通じて、各国元首、民間企業が一体となって取り組みます。

1.政策提言・研究
2.教育・能力開発
3.技術革新・イノベーションの推進
4.国家間投資・プロジェクト調整

SDGC/Aの理事会には、アフリカ各国の大統領が名を連ね(注)、本部はルワンダに設置されました。

アフリカ 貧困撲滅のキーは、「知恵」 

JICAは、「SDGC/Aの活動計画策定」を支援。具体的には、アフリカ各国がSDGsを達成するために必要な政策の提言、及び、アフリカ地域共通のSDGsに対する取り組みをモニタリングするための枠組み作成にかかる情報収集・分析を行います。現在、JICAルワンダ事務所では、同センター職員の受け入れも実施中です。

Key Note Speechセッションで登壇するポール・カガメ大統領(上)とJICA戸田隆夫上級審議役(下)(ルワンダ政府提供)

2017年1月27日、ルワンダの首都キガリで行われた開所式は熱気に包まれ、「アフリカ地域の全54ヵ国が2030年までに貧困を撲滅し、持続可能な開発を実現する」と高らかに宣言されました。

同国のポール・カガメ大統領は、「アフリカ人自らが、アフリカの人々の根本的な生活向上に貢献しなければならない。そのために、SDGC/Aに『Knowledge Wisdom Center(知識・知恵のセンター)』としての役割を期待する」と述べました。

さらに、JICAから登壇した戸田隆夫上級審議役は、「今世紀末には、生産年齢人口の1/3をアフリカが占めることになるため、質の高い人材を世界に輩出することが義務」と強調。「その鍵は『知恵』にある」と発信しました。

JICAには、世界有数の包括的な開発援助機関として取り組んできた経験と知見が豊富にあります。

農業や災害対策など、様々な分野でICTの活用を目指す

世界25カ国で展開してきた母子の命と健康を守る「母子手帳」の取り組みや、アフリカ4万校に広がっている「みんなの学校プロジェクト」のほか、ICTによる産業開発など、日本の民間企業との連携で得られた知識や技術を広めていくことこそが、アフリカ地域のSGDs達成につながると考えます。

「知恵」の可視化、共有・スケールアップとその実践を、JICAはSDGC/Aとともに、アフリカ全体のSDGs達成に向けて、取り組んでいきます。

(注)SDGC/A理事会:ポール・カガメ ルワンダ大統領、アリコ・ダンゴテ氏(ナイジェリアビジネスグループCEO)を共同議長に、ガーナ、ギニア、コートジボワール、チャド、ベナン、モザンビークの各国大統領、アミナ・モハメド国連副事務総長、及びジェフリー・サックス(コロンビア大学教授)らにより構成されている。