持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けたJICAのチャレンジ

2017年2月27日

【画像】2030年までに世界が達成すべき目標を定めた「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」は、国連、政府、市民社会、大学・研究機関、民間企業など多様なアクターが参加して議論を深め、2015年9月の『国連持続可能な開発サミット』で合意されました。目標は、17のゴールと169のターゲット で構成されています。

紺屋健一参事役

JICA紺屋健一参事役(JICA企画部SDGs推進班)は「SDGsは、『世界中で貧困をゼロにする』『すべての子どもが無償で質の高い中等教育を修了する』等、 非常に高い目標を掲げています」と話します。JICAはどのようなアプローチでSDGsにチャレンジしようとしているのか――いま動き出している取り組みをご紹介します。

「人間の安全保障」の実現を目指す日本の取り組み

SDGsの合意を受けてJICAが自身の取り組みをまとめた「JICA SDGsポジションペーパー」(2016年9月)を発表。これまでの日本の発展や、JICAの経験を生かし、目標の達成に取り組むことを宣言しました。

SDGsの「人間中心の開発」という考え方は、日本やJICAが開発協力大綱などで掲げる「人間の安全保障」の考え方が反映されたものと言えます。そして、すべての人々が恩恵を受ける開発をめざしてきたJICAの支援のあり方は、SDGsが謳う「誰一人取り残さない(No one will be left behind)」という理念とも重なります。

健康保険証を手に(ケニア)

JICAは日本の優れた技術や経験を生かして、途上国でのSDGs達成に取り組んでいきます。例えば、国民皆保険を達成している日本の知見を生かしたSDGゴール3に向けた支援としては、 アフリカ、アジア諸国を中心にすべての人が医療にアクセスできる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」と呼ばれるコンセプトのもと、無償の産科サービスや貧困層の健康保険加入促進などを支援してきました。

急速な貨物量の増加への対応を支援しているモンバサ港(ケニア)

また、 内陸で海のない国に居住する人々の産業・インフラの開発(SDGゴール9)にむけた代表的な取り組み「経済回廊」支援では、SDGゴール11「住み続けられるまちづくり」や、SDGゴール10「人や社会の不平等をなくす」なども担っています。日本の社会基盤発展の経験を包括的に生かしてSDGsの達成を目指します。

「パートナーシップ」から生まれる「イノベーション」への期待

【画像】「SDGsは政府や国際機関だけで達成できるものではなく、企業や市民社会などさまざまなアクターとの連携が必要です」と言われているように、パートナーシップ(SDGゴール17)は特に重要な原則です。

民間セクターの参画については、世界に誇る日本企業の知恵と技術の活用がSDGsの達成に欠かせません。これは、途上国のプラスになるだけでなく、企業にとってもマーケットを開拓する好機と言えます。JICAは2017年より新たに「途上国の課題解決型ビジネス(SDGsビジネス)」制度を開始。SDGs達成 を見据えた商品の開発や、新しいアイデアで途上国の課題に取り組む民間企業を積極的に支援しています。

アフリカのSDGs推進拠点SDGC/Aベライ所長(右)とJICA戸田上級審議役(ルワンダ)

また、各途上国や地域とのSDGs推進にもパートナーシップを通じて貢献します。インドネシア国家開発企画庁と協力し、同国の主体的なSDGs実施計画づくりをサポートしているほか、SDGsゴール達成のカギとなるアフリカ地域で、2017年1 月にSDGs推進の地域拠点となるセンター(SDGC/A、リンク参照)がオープン。JICAは、同センターとともにアフリカ地域 全体におけるSDGsの推進を支援していきます 。

誰にとっても大切で「普遍的な」課題に取り組むために…

SDGs推進班が交代でSDGsを解説。来場者にクイズとスタンプラリーでSDGsに親しんでいただいた(東京・お台場)

SDGsは、気候変動対策や食料廃棄物の削減等、一人ひとりがライフスタイルや考え方を変える必要がある課題も含んでいます。日本で最大の国際協力イベント・グローバルフェスタも、2016年はSDGsをテーマに開催されました。JICAでは、あらゆる方々がSDGsへの理解を深め、取り組むきっかけになるような活動も大切にしています。

SDGsは世界を変え、私たちの希望を叶える鍵となるものです。「SDGsを通して世界を見て みると、いろいろ新たなアイデアも湧いてきて、チャレンジも楽しく感じられます」…SDGsをわたしたちがより良く変わる『チャンス』そして変革の機会 ととらえ、今まで通り(as usual)ではない挑戦を重ねることも、目標の達成のためには必要です。

JICAはこれからも広く国内外のアクターとパートナーシップを築きながら、 SDGs達成に向けた取り組みを進めます。