「ABEイニシアティブ」の留学生と日本企業が交流――アフリカ進出へのビジョン、祖国の発展への意欲

2017年4月5日

にぎわう会場の様子

2017年3月24日、「アフリカビジネスネットワーキングフェア2017」が大田区産業プラザPiO(東京都)にて開催されました。(注1)

このフェアは、日本企業がアフリカに進出する際の水先案内人育成を目的とする「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(通称:ABEイニシアティブ)『修士課程およびインターンシップ』プログラム」(注2)の一環として開催しており、今回で3回目となります。

日本企業、「ビジネスチャンスはアフリカに!」

日本企業約100社が参加し、約340人の留学生(第三期生、2016年9月来日(注3))と交流を深めました。特設ステージでは、9社が事業を紹介し、真剣に耳を傾ける留学生の姿が見られました。

ブースで留学生と交流する明和工業の徳成さん

これまで第二期生15人のインターンを受け入れ、昨年8月にケニアで行われた第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)ではジャパンフェアに出展した明和工業株式会社(石川県金沢市)。バイオマス炭化装置によって「有機廃棄物を農業利用可能な炭にする」という再資源化方法をアフリカ各国に提案する、研究開発型の中小企業です。

海外事業部の徳成武勇(たけお)さんは、「世界に先駆けて携帯電話での送金が可能になったように、既存インフラの整備が進んでいないからこそ、革新的な仕組みが受け入れられやすい。廃棄物管理や農業に関しても切迫した課題を抱えているからこそ、技術面での対応策が届きやすいはず。日本の中小企業にとって新しいビジネスチャンスがアフリカにはある」と期待を寄せました。

株式会社浅井農園(三重県津市)は、今回初めてフェアに参加。研究開発部の呉婷婷(ウー・テインテイン)研究員は、「IT技術を活用して温度などの環境制御を行う新しい農業ビジネスを世界に広めていくというビジョンがある。今後アフリカとのネットワークを作りたい。ブースで話した留学生からは、自分の国のために役に立ちたいという熱意を感じた」と話しました。

日本と祖国をつなぐ留学生、「カイゼン」にも注目  

留学生たちも日本企業に大きな期待と熱意を寄せています。

「『カイゼン』を取り入れている製造業の企業でインターンをしたい」とハリソアさん

名古屋商科大学でマネジメントを研究しているマダガスカルのジュヴェンシア・ハリソアさんは、本国の所属会社で、「カイゼン」を社員に教えています。

「カイゼン」とは、日本の製造業を大躍進に導いた、品質・生産性向上アプローチです。新たな投資がなくてもできる点が魅力で、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)などがその代表的な手法。チームワークや社員の自立性、創造性を育てるなど、人材育成にも効果的です。

「今までは自分なりの「カイゼン」のやり方しか知らないため、実際に日本企業の現場でどのように導入されているのかを見て、どう社員に教えているのかも学びたい」と話しました。

ABEイニシアティブを知り「絶対に行きたい!」と所属会社に訴えたというロンポさん

麗澤大学で経営を学ぶブルキナファソのミエバ・ロンポさんは、「日本に来ることは子どもの頃からの夢だった。母国には豊富な資源があるのに効率的に利用できていないのが課題」と語り、ハリソアさんと同じく、「カイゼン」にも注目しています。「インターンでは、特に「カイゼン」を含め、日本の人事マネジメントシステムを学びたい。そして将来は、日本、またはアフリカの日本企業で働きたい」。

「ビジネスを通して日本とアフリカをつなぐことができれば」とアテムさん

南スーダンのリノ・アテムさんは石油・ガス分野のコンサルタントで、現在は立命館アジア太平洋大学で経営学を学んでいます。「アフリカ進出に関心が高い企業でインターンをしたい。将来的には自分の会社を立ち上げ、日本企業が南スーダンにも進出してもらえるよう、ビジネスを始めたいと考えている」と展望を語りました。

過去に開催したフェアへの参加がきっかけで留学生のインターンを受け入れ、それを機にアフリカに支社を作ろうと本格的に動き出した企業もあり、少しずつ日本とアフリカの「架け橋」が形になり始めています。JICAは今後もセミナーやイベントを開催し、アフリカと日本企業をつなぐ機会を提供していきます。

(注1)
主催:独立行政法人 国際協力機構(JICA)
共催:国際連合工業開発機関(UNIDO)東京事務所
後援:アフリカ開発銀行アジア代表事務所

(注2)

(注3)受け入れは、2014年9月より、4期に分けて行っている。下表は、今回参加対象となった第3期生の出身国と来日人数の内訳(単位:人)。

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