東アフリカの干ばつに対するJICAの取り組み

2017年4月25日


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国連の発表によると、東アフリカで発生している干ばつは、過去数十年で最悪といわれた2010年から2012年を超え、さらに被害が拡大する可能性があるとされています。

昨年(2016年)末の降水量が例年の3分の1と、過去最低レベルに止まった南部ソマリアをはじめ、干ばつが発生している地域における年間平均降水量は過去最低レベルを記録。

現在も干ばつの影響によりエチオピア、ウガンダ、ケニア、ソマリア、南スーダン、またその他のイエメン、ナイジェリアといった国においても、その影響は及び、およそ2000万人が食料や医療といった人道的な支援を必要としており、1500万人以上が安全な水へのアクセスが困難であるなど、事態の深刻化が危惧されています。

JICAは干ばつによる影響の拡大を少しでも食い止められるよう、持続的な被害対応能力の向上を目指し、問題解決に取り組んでいます。
現地で活動中の専門家による活動レポートをご紹介します。

JICAの取り組み

【ケニア】牧畜民の干ばつ対応能力を向上する
−ケニア国トゥルカナ持続可能な自然資源管理及び代替生計手段を通じたコミュニティのレジリエンス向上プロジェクト(村上文明専門家)−

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トゥルカナで過去に実施された日本の森林環境支援活動を調査(木炭生産活動)

トゥルカナで過去に実施された日本の森林環境支援活動を調査(牧草育成活動)

トゥルカナで過去に実施された日本の森林環境支援活動を調査(プロソピス材木生産活動)

本プロジェクトの対象地であるトゥルカナ郡は、ケニア最北西部に位置し、同国で最大の面積を有する郡です。しかし、年間雨量が200〜600ミリと少ない為にその生活環境は非常に厳しく、同国で最も貧困率が高いことで知られています。

同郡は、非常に乾燥した土地なので、郡人口の60%が牧畜を生業として生活をしています。本プロジェクトでは、近年頻発する干ばつの影響で大きな被害を受けることが多くなった牧畜民コミュニティに対して、彼らの干ばつに対する対応能力/強靭性(「干ばつレジリエンス」といいます)を向上させるための活動を各種行っています。活動は牧畜民コミュニティに対して行いつつも、同時に郡職員の干ばつ管理能力の向上も目指しています。

具体的な活動内容は、家畜の水場となるハンドポンプ井戸の設置、牧草の有効活用/栽培、牧畜以外の生計手段の構築(生計多様化)を活動の柱としています。プロジェクトは2017年3月に開始されたばかりで、今後5年間をかけて活動を行っていきます。

【ウガンダ】安全な水を安定的に供給する
−ウガンダ国村落地方給水維持管理・衛生改善プロジェクト(坂本大祐専門家)−

井戸の種類には大きく分けて浅井戸と深井戸が存在します。

前者は主に地表近くの地下水を利用するために降雨量の影響を受けやすいですが、後者は比較的地層深くの地下水を利用するため、降雨の影響を受けにくい特徴があります。

ウガンダでは、地域によって2016年の降雨量が過去の平均値と比較して40%以上減少し、浅井戸の枯渇事例が確認されており、農業生産量の減少など住民の生活にも大きな影響を与えています。

一方、同国北部で我が国が支援した給水施設の深井戸は、現在も安定的な水量を供給しており、ウガンダに存在するモニタリング用の深井戸の平均地下水位も過去数年に亘って変動幅が小さいことが確認されています。
そのため、深井戸を利用した給水施設では現時点でも干ばつによる生活用水の不足等の問題は少なく、地域住民へ安全な水が安定的に供給されています。

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現地の技術者による井戸の洗浄風景(左)、洗浄後の井戸の使い心地はいかが?(右)

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安心・安全・安定の共同水栓(左)、現地に根付く日本の支援(右)

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