マラウイの小中学生が日本の「運動会」競技に挑戦 ―協力隊が広げる“UNDOKAI”−

2017年4月27日

 

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日本ではおなじみの玉入れもマラウイ式。丸く固めたビニールの玉を、頭上のバケツに投げ入れる。

「ヨーイ、ドン!」

ピストルが鳴り、スタートラインから一斉に走り出す子どもたち。運動場を包み込む大きな歓声――。

日本ではおなじみの運動会。運動が得意な子も、ちょっと苦手な子も、そして家族にとっても、年に一度の一大イベントです。しかし多くの開発途上国では、運動会はおろか体育の授業すら、行われていません。

“UNDOKAI”が協力隊によって広がるマラウイ

初めてアフリカのマラウイで“UNDOKAI”が実施されたのが2015年2月。公益社団法人青年海外協力協会(JOCA)と協力隊が連携し、現地の教員たちにUNDOKAIの実施手法を指導する研修を行い、小学校での開催につなげました。以来マラウイでは、開催地や方法を変えながらUNDOKAIが少しづつ現地に根付き、3年目となる今年2月には、マンゴチ県モンキーベイでUNDOKAIが開催されました。

UNDOKAI当日、進行の打ち合せをする佐藤隊員。県教育マネージャーを始め、関係各所に何度も足を運び、ついにこの日を迎えた。

今回中心となったのは青年海外協力隊員の佐藤悠衣さん。普段は小学校で表現芸術科目(図工・音楽・体育・スポーツダンスなど)の指導にあたる彼女が「教え子たちに、目標に向かって努力することの大切さを伝えたい」という思いから、UNDOKAIの実現を決意。開催に向け奔走しました。

ようやく開催の目途がつき、教員たちも一緒に練習を開始したものの、マラウイはマンモス校が多く、今回参加する3つの小学校の児童数は合計約4,000人。全員の参加は難しいため、各学校選抜80名、計240人が参加する学校対抗戦となりました。当日の進行は、隊員が実施手法を教えた現地の教員たちです。

スポーツに取り組む楽しさ、ルールを学ぶ機会に

温暖で過ごしやすいマラウイにしては珍しく、ジリジリと照りつける強い日差しの下、第一種目の「徒競走」が始まると、応援にかけつけた生徒や近隣住民約800人からものすごい歓声がわき起こり、「日本では体験したことのない爆発的な盛り上がりでした」と、JICAマラウイ事務所の日本人スタッフも、現地の人々のUNDOKAIを楽しむ姿に驚きました。

「二人三脚」・「リレー」・「玉入れ」「綱引き」等、日本式運動会でおなじみの種目に全力で挑戦する選手たちに向けられた応援の声が絶えることはありませんでした。

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準備運動は日本のラジオ体操。佐藤隊員が見本を見せる。(左) 大きな盛り上がりをみせた綱引き(中央) エキジビションとして音楽クラブ員による鍵盤ハーモニカの演奏なども披露された(右)

5時間半にわたったマラウイ3年目のUNDOKAI。進行を務めた教員たちは開催の成功を喜びあいながら、「UNDOKAIの競技は生徒たちみんなが参加でき、ルールを守る実践教育ができます」とUNDOKAIの魅力を語り、次回開催への意欲を見せていました。

一等賞の生徒には、全員に賞状が贈呈された。

マラウイだけでなく、セネガルやカンボジア、エチオピアなど他の途上国でも広まりつつあるUNDOKAI。一人でも多くの子どもたちが仲間と一緒にスポーツに取り組む楽しさを実感できるよう、JICAはスポーツ・フォー・トゥモロー(注1)と連携しながら、これからも支援を続けていきます。

(注1)SPORT FOR TOMORROW は、2014年から東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を開催する2020年までの7年間で開発途上国をはじめとする100カ国以上・1000万人以上を対象に、日本政府が推進するスポーツを通じた国際貢献事業。世界のよりよい未来を目指し、スポーツの価値を伝え、オリンピック・パラリンピック・ムーブメントをあらゆる世代の人々に向けて広げていく取組みです。


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