シエラレオネ大統領に「地域開発事業ガイドライン」進呈――エボラからの復興に弾み、同国の将来担う鍵に

2017年6月12日

コロマ大統領と平林淳利JICA国際協力専門員

1991年から約12年に渡り、政府と反政府勢力との内戦が続いた西アフリカのシエラレオネ。復興を遂げようとしていた矢先の2014年、さらなる悲劇が襲いました。エボラ出血熱が流行し、死者数は同国だけで4,000人近くにのぼります。

JICAが2009年より地方分権化支援のため実施していた「カンビア県地域開発能力強化プロジェクト」も中断を余儀なくされました。

ガイドライン普及で、エボラを含む次の災害に強い地域社会作りを目指す

再始動したのは昨年6月。中断以前から作成支援していた「地域開発事業ガイドライン」に新たに取り入れたのは、「エボラからの復興」です。

2017年6月2日、プロジェクトのカウンターパート(注)である地方自治・地域開発省カイカイ大臣より、アーネスト・バイ・コロマ大統領に、完成したガイドラインが直接進呈されました。今後、全国地方自治体への普及が見込まれ、地方自治体職員らが、エボラ終息後という特有の状況下において地域開発を進めるための手引きとなることが期待されます。

大統領「シエラレオネで標準化していきたい」

このガイドラインの特徴は、「住民との協働」による事業計画策定・維持管理の方法、そして地方自治体・その下位組織・コミュニティーそれぞれの役割が明記されていること。地方自治体の透明性・説明責任にも留意しています。

ガイドブック作成にあたり日本の取り組みも参考にした。写真は、宮城県東松島市の防災備蓄倉庫視察の様子(2017年1月)

エボラからの復興に関しては、落ち込んだ地方経済の再興、衛生的な保健システムの整備についてなどが盛り込まれています。

5月13日には、世界保健機関(WHO)がコンゴ民主共和国でエボラ出血熱の感染者が確認されたと発表しました。地方自治体とコミュニティーが常に連携をとっていれば、いつ再び発生するかわからない脅威に対しても、曖昧な情報や、間違った情報に住民が戸惑うことなく、適切に対応できます。カイカイ大臣も、エボラ対策に奔走した経験からその重要性を実感したと言います。

コロマ大統領への表敬の様子

ガイドラインについて説明を受けた大統領は、「ぜひ、このガイドラインを地方自治・地域開発省が中心となってシエラレオネ内で標準化していきたいと思う」と、全国普及に前向きな考えを示しました。

今後、2017年9月頃を目処に、全国の地方自治体職員、さらにシエラレオネで活動するドナーや関連実施機関に向けたフォーラムを順次開催し、ガイドラインの普及を進めていく予定です。

(注)国際協力の現場で技術移転や政策アドバイスなどの対象となる組織、または行政官や技術者のこと。

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