コーカサスへの協力加速:ジョージアに地域初の在外拠点開設、ユーラシアを結ぶ国際幹線のJICA整備区間が完成へ

2017年11月2日

東西ハイウェイを走るトラック

JICAがジョージアで、2009年から進めていた「東西ハイウェイ整備事業」が近く完成します。東西ハイウェイは、中央アジアと欧州を結ぶ最短ルート上に位置するジョージアを東西に横断する、国際幹線道路の一部を構成しています。このため、本事業を通じた道路整備により、ジョージア国内の輸送力強化のみならず、国際貨物のスムーズな輸送などを通じてコーカサス地域全体の経済発展が期待されます。

地域物流のハブを目指すジョージア

 

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ジョージアを通り、ユーラシア大陸を東西に縦貫する輸送回廊の整備を目的とした地域運輸協力構想であるTRACECA構想

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ジョージア国内の東西ハイウェイ整備計画。赤色が今回、整備が完了する区間

東西ハイウェイのジャンクション

ジョージアは、旧ソ連から1991年に独立した国で、日本では2015年までグルジアと呼ばれていました。面積は日本の約5分の1、人口は約400万人と日本と比べると規模は小さいものの、ロシアや中東との接点であることから、地政学的にも重要な位置を占めています。また、民主化、市場経済化の取り組みも着実に進行。ジョージア政府は、外国からの投資誘致、コーカサス地域における物流のハブ化を目指して、経済改革を進めています。

近年、地域内、地域間の協力を進める取り組みが活発化しており、アジア開発銀行(ADB)やヨーロッパ連合(EU)も協力しています。ジョージアは、中央アジアのカザフスタンからキルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタンを通り、カスピ海を渡ってアゼルバイジャンを抜け、ジョージアを東西に横断した後、黒海を渡り、ウクライナのオデッサから北上して欧州各国を結ぶという国際幹線道路、地域運輸協力構想(TRACECA)の重要な一翼を担います。

ジョージアでは、貨物の4割以上、旅客の9割以上を道路輸送に依存しており、道路が国の経済を支える生命線となっています。その中でも、ジョージアを横断する東西ハイウェイは約460キロメートルに及び、ジョージア国内においても最重要道路と位置付けられています。

JICAは、ADBや世界銀行、欧州投資銀行等と協調して、東西ハイウェイのうち、ゼスタフォニ〜クタイシ〜サムトレディア間の約57キロメートルの道路建設についてジョージア政府と合意し、2009年から整備を進めてきました。

東西ハイウェイの開通により、移動や輸送の時間が大幅に短縮され、農業生産者がより早く市場にアクセスできるようになるなど産業面へのメリットはもちろん、市街地をバイパスすることで市中の一般道路の渋滞緩和にも効果が期待されています。

他の機関が支援した首都近郊区間

また、今回完成予定のJICA整備区間に隣接する区間が未改修区間として残っており、東西ハイウェイ全体の完成に向けて、ADB、世界銀行、欧州投資銀行と共にJICAも支援の検討を進めています。

在外拠点開設でコーカサス3ヵ国への支援を拡充へ 

ジョージアの首都トビリシ

JICAは今年5月、ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンの3国での支援事業を管轄する拠点として、コーカサス地域で初めての在外拠点をジョージアに開設しました。

ジョージア支所の開設レセプションが行われた6月には、北岡伸一理事長が、JICA理事長として初めてジョージアを訪問し、コーカサス地域への日本の支援の重要性を再確認しました。

観光と並ぶ産業でもある特産のワイン

江尻幸彦支所長は「ジョージアは外国人でも活動しやすい国なので、ボランティア事業やNGOとの連携事業も積極的に考えていきたい。観光とワインという2大産業への支援も進めていきたい」と話しています。今後は、これまでの経済インフラ整備に留まらず、現地に常駐しているからこそ可能なプロジェクトの実施を通じて、ジョージア及びコーカサス地域の更なる発展をサポートしていきます。