男子と同じ舞台へ:タンザニア初の女子陸上競技会「LADIES FIRST」を開催

2017年11月30日

女子選手たちがさっそうとトラックを走り抜けます。男子の有力陸上選手を輩出しながら、女子選手の活躍の機会が少ないタンザニアの状況を変えるきっかけにと、JICAは11月25、26日の2日間、タンザニア情報・文化・芸術・スポーツ省と共催で、同国で初めての女子選手を対象とした陸上競技会「LADIES FIRST」を最大都市ダルエスサラームの国立競技場で開催しました。

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10000メートル走の先頭集団で競う選手

元マラソン選手イカンガー氏とともに企画 

大会であいさつするイカンガー氏

タンザニアは、男女格差を表した「ジェンダー不平等指数」(注)では、世界188カ国中159位(2015年)となっており、格差の是正が課題です。

「タンザニアでは、スポーツは男性がするものという固定観念などから、女性は陸上競技大会の出場機会が限定されているのです」。

こう指摘するのは、JICAタンザニア事務所の広報アドバイザーで、1984年と86年の東京国際マラソンで優勝し、ロサンゼルス、ソウルの両オリンピックで入賞するなど1980年代に活躍したタンザニアの元マラソン選手、ジュマ・イカンガー氏。

女子の陸上競技大会を通じて、女子も男子と同等の機会が与えられる社会の実現に向け、JICAはイカンガー氏と協力して、この競技会を企画しました。

総勢105名の選手が参加―日本の民間企業も支援

競技会では、100メートル走や10000メートル走、やり投げ、走り幅跳びなど11種目が行われ、各州から選抜された合計105人が参加しました。2020年に東京で開催されるオリンピックに向けた公式記録会との位置づけです。

開会式でのあいさつでハリソン・ジョージ・ムワキエンベ情報・文化・芸術・スポーツ大臣は、スポーツ振興とジェンダー平等という2つの課題に同時に取り組むこの競技会の意義に賛同しますと話しました。

100メートル走で優勝したウィニフリーダ・マケンジさん

100メートル走で優勝したウィニフリーダ・マケンジさん(16歳)は「練習環境が整わない中、小学生のときから練習してきたことが結果につながりました。今後はオリンピックを目指したいです」と力強く語りました。

観覧席から見学する競技会に招待された近隣の小中学生の女の子たち

大会当日には、近隣の小中学校から約1000人の女子児童がスタジアムに招かれました。また、タンザニアで事業を行う日本の民間企業が運営資金の一部や、Tシャツ、タオルなどの物品を提供し、大会をサポートしました。

大会を女性の地位向上へのきっかけに

大会初日の11月25日は、国連が定めた「女性に対する暴力撤廃国際日」。JICAは会場内で、NGOやJICAボランティアと協力し、若年妊娠の問題を取り上げる絵本の読み聞かせなどのサイドイベントも実施しました。この一連の取り組みから、競技会は、11月に東京で開催された女性が輝く社会づくりについて協議する国際女性会議WAW!(WAW! 2017)の公式サイドイベントとしても登録されました。

イカンガー氏は「タンザニアでは体育の授業といってもほとんどが講義。実技が少ないため、体育教育の推進に向けたJICAのサポートに期待しています」と語ります。

JICAはスポーツをきっかけに、タンザニアでの女性の社会的地位の向上に推進していきます。

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(左)サイドイベントでリレーを楽しむ女子選手たち(右)若年妊娠の問題を取り上げた絵本の読み聞かせ

(注)国連開発計画(UNDP)が発表する人間開発における男女格差を表した指標

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