収穫量は3年で3倍:ウガンダから広がるアフリカ稲作支援

2018年1月12日

たわわに実った稲が一面に広がり、農民たちは笑顔で収穫作業を進めます。ここはアフリカ大陸の中ほどに位置するウガンダです。JICAは、10年以上にわたり、ここウガンダでコメの生産拡大に向け、稲作農家に対する適正技術の普及体制の強化などを支援しています。それに伴い、コメの収穫量は2014 年からの3年間で約3倍に拡大し、農家の収入向上にも大きな成果を上げています。

ウガンダはコメの需要が高まっているものの自給率が低く、輸入に頼らざるを得ない現状です。そのため、コメの生産拡大が国家目標に掲げられています。

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ウガンダ南東部ブタレジャ県にある研修用の稲田で、収穫作業をする農民

「収穫量増えた」と農民の声

JICAはウガンダで、2008年から2010年にかけてアフリカの風土に適した陸稲のネリカ米振興計画と、東部における持続型灌漑農業開発計画を実施しました。

ウガンダの農家とJICA専門家の宮本輝尚さん(右から2番目)

2011年からは、コメの生産面積拡大に向けたコメ振興プロジェクトを開始。コメの栽培技術の普及を目指し、JICAの専門家は、農家に稲作技術を指導する普及員をこれまで合計849人養成しました。

普及員らは、ウガンダ全県の半数に相当する57県で稲作技術の研修を行い、2017年9月時点で研修を受けた農家数は4万9,244人となっています。

研修を受けた農家からは、「昨年受講した研修で教わったことを実践することで、収穫量が2倍近く増えました」との声が聞こえます。また、専門家は、「収穫量の増加で収入が増加し、農家は子どもの教育資金や住居の改善に充てることができるなど生活も向上しています」とプロジェクトの成果について語りました。

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 *収穫量38,767tは2016年3月時点、研修を受けた農家37,508人は2016年2月時点

難民にも研修を実施

今年から、さらにコメ振興を推進するため、すでに稲作を学び実践している農家自身がさらに普及を担う役割を持ち、周囲の農家へと稲作を広げていくことを目指します。単に作付面積が広がるだけではなく、生産性や農家の収入向上につながるよう、JICAは、病害に強い品種の普及などにも力を入れていきます。

ウガンダで、ザンビア人農業普及員を養成する広域研修を行うJICA専門家の小島伸幾さん(中央)

ウガンダにおけるコメ振興プロジェクトは、アフリカ各国の普及員や研究者、青年海外協力隊員が稲作を学ぶことのできる「広域研修」を行っていることも特徴の一つです。ウガンダからアフリカ各国へ、稲作を広く拡大させる活動で、これまでに500人を超える受講生を輩出しています。

また、ウガンダは治安や政治の安定を背景に、周辺の国や地域から多くの難民を受け入れており、JICAは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と連携し、難民定住地での稲作栽培技術の研修も実施し、難民の生計向上も支援しています。