ニカラグアで140人が「ラジオ体操」 日本の体育科教育で一生涯の健康な体づくりを

2018年1月24日

中米スポーツ大会でラジオ体操を披露するニカラグアの中学生たち

グラウンドにならんだ中学生140人が、スペイン語のナレーションに合わせて日本の「ラジオ体操」を実演します。昨年12月に中米ニカラグアで初めて開催された「第11回中米スポーツ大会」で、JICAはニカラグア教育省等と連携し、各国の選手団や観客に向けラジオ体操を紹介しました。

誰でもできる手軽な運動を奨励し、一生涯の健康な体づくりをもたらすことに重点をおく日本の体育科教育のコンセプトを、ラジオ体操を通じて多くの人々に知ってもらうことが目的です。

健康、保健衛生、協調性を学ぶ日本の体育

ニカラグアをはじめ途上国では、学校での体育科教育の遅れなどから、体育はレクリエーションや遊びとして捉えられています。体育を通じた保健衛生や健康教育の重要性を伝えるため、JICAは、誰もが手軽に取り組むことができ、運動効果の高いラジオ体操をニカラグアで活用しました。今回のラジオ体操の実演では、日本のラジオ体操連盟から指導員2名が参加し、今後、現地でラジオ体操の指導に使うDVDの撮影も併せて行いました。

ニカラグア教育省の担当者からは、ラジオ体操は、体づくりだけでなく、授業で規律を守ることにもつながるため、学校での普及を目指したいとの声も上がっています。今回のイベントでの紹介を機に、ニカラグアにおいて、健康・保健衛生教育、協調性を育む体育科教育への認知が広がることが期待されます。

体育科教科書の作成や日本での研修も実施

JICAはこれまで50年以上にわたり、体育科教育の普及に協力しています。学校現場での体育指導にあたる体育・スポーツ分野での青年海外協力隊の派遣は、約90カ国、総派遣数は約4,000人(2017年9月末時点)に上ります。

これまで体育の教科書がなかったミャンマーで作成された教科書。運動例をわかりやすく説明

その協力は、協力隊員の派遣にとどまりません。ミャンマーでは、専門家が体育の教科書や教師用指導書の作成を支援するほか、ブータン、マラウイ、ブルキナファソなど8カ国の体育指導者を対象に、筑波大学などと連携し、学校体育のしくみを伝えるための研修を日本で開催しています。

JICAの体育科教育支援に協力する日本体育大学の岡出美則教授は、日本の体育科教育の特徴について、「子どもの発達の段階を踏まえ、生涯にわたり、『する』『見る』『支える』『知る』というスポーツと多様に関わることのできる資質・能力の育成を重視しています。そのため、運動を好きになること、技能や体力、ルールを守り協力すること、課題の解決方法の工夫の仕方をバランスよく、系統立てて指導していくことを大切にしています」と述べています。

日本で体育科教育の研修を受けるボスニア・ヘルツェゴビナやマラウイの体育教師たち。お互いの健闘を称え合います

ボスニア・ヘルツェゴビナでは、民族ごとに異なる教育カリキュラムを統合させる改革が進むなか、JICAは体育科カリキュラムの改訂を支援。体育の授業を通じて「誰もが自尊感情を高め、仲間に認められ、仲良くなれることを大切にしたいという思いが広がっていく過程を目にすることが楽しみです」と岡出教授は語ります。

日本の体育科教育の普及を通じ、運動技能の習得だけでなく、健康教育や民族融和といった課題に向けた支援をJICAは続けています。

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