皇太子同妃両殿下が青年海外協力隊帰国隊員とご接見

2018年8月20日

派遣国での約2年間にわたる活動を終え、帰国した青年海外協力隊員の代表8人が7月26日、東宮御所で皇太子同妃両殿下からご接見を賜りました。

両殿下は、1999年以来、天皇皇后両陛下から引き継がれる形で、帰国した青年海外協力隊員代表とご接見され、代表が任国での活動を報告する貴重な機会をいただいています。

今回両殿下にお目にかかったのは、アジア、大洋州、中南米、アフリカの国々に派遣されていた8人です。

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前列左から小藤田朋美さん、片山美弥さん、薄井真希さん、柚木園悠さん、後列左から笹部透さん、白川智久さん、山本美香青年海外協力隊事務局長、坂本年陽さん、諏訪森大さん

「みんな違っていい」子どもたちに異文化理解を促進

ワンワールドフェスティバルで教え子たちとソーラン節を披露している様子。中央の青い法被が片山さん

片山美弥さん(職種=青少年活動、30歳、広島県出身)は、キルギスの首都ビシュケク市のNGO「SOS子どもの村」で、孤児や家庭の事情で親と離れて生活している3歳~16歳の子どもたち約100人に対し、日本文化、英語、算数のクラスを開講しました。また、情操教育としてアートマイルプロジェクトへの参加、サマーキャンプでスポーツ、物づくり、広島平和学習セミナーなどを実施しました。

伝統工芸品の販路拡大とともに自立を支援

支援先の織物生産者と織り柄のアイデアを出し合う様子。左が小藤田さん

小藤田朋美さん(職種=コミュニティ開発、29歳、神奈川県出身)は、ラオス北西部サイニャブリ県の産業振興局に配属され、特産品の販路開拓、品質改善、新商品開発などに取り組みました。支援した生産者のグループはJETRO主催の特産品コンテストに2年連続で入賞し、日本視察ツアーにも参加。販売額も3倍以上に増え、生産者が意欲を高めて自立して活動を継続する支援を展開しました。

国営市場で収支改善などを指導 廃棄物を堆肥にすることにも貢献

配属先の市場で同僚とゴミの分別のアウェアネスを実施する様子。右から3番目が坂本さん

坂本年陽さん(職種=経営管理、31歳、大阪府出身)は、ソロモンのマライタ州アウキ市場に配属となり、会計処理、収支改善、経営意識の向上に取り組みました。市場の利用料の回収を徹底することで収支改善に大いに貢献し、マライタ州政府知事などから高い評価を受けました。市場内で出る野菜くずのゴミを、別隊員配属先の農業系職業訓練校で堆肥にする連携を生み出し、軌道に乗せることにも成功しました。

乳牛の繁殖管理を行い、データ分析から検診の改善を促す

牛の産科検診。直腸に手を入れて子宮・卵巣を触診する様子。真ん中が諏訪さん

諏訪森大さん(職種=家畜飼育、30歳、東京都出身)は、エクアドルの内陸チンボラソ県にある農牧漁業省の畜産部に派遣され、主に若手の獣医師や畜産技師とともに牛の繁殖管理について生産者を巡回指導しました。繁殖検診に関するデータを独自にまとめ、講習会ではエクアドルの畜産業が抱える課題と対応策を説明し、生産者の知識向上に貢献しました。

週最大33コマの授業を担当 リコーダークラブなども指導

配属先の1年生に、ハンドサインを用いて音階を教えている様子。左に立っているのが柚木園さん

柚木園悠さん(職種=音楽、30歳、神奈川県出身)は、ベリーズ北部オレンジウォーク郡の大規模小学校で音楽の授業を創設しました。リコーダーのクラブなども創設し、地域の音楽祭や学校行事に向けて放課後にも生徒の指導にあたりました。同僚教員たちに対し、ワークショップを通して音楽の授業方法とともに、音楽を教えることの楽しさややりがいを伝えることで、同校が自主的に音楽の授業を行うための道筋をつけることができました。

他職種の隊員と連携し、生徒へ多様な教育の機会を提供

ろう学校生の保護者向け手話講座を同僚とともに実施している薄井さん

薄井真希さん(職種=障害児・者支援、30歳、栃木県出身)は、ルワンダの北部県ムサンゼ郡ニャンジェセクターにある、FAIR CHILDREN/YOUTH FOUNDATION (FCYF)というNGOにより設立されたろう学校で活動を実施しました。同校の生徒を対象に情操教育の支援や学校運営の支援のほか、コミュニティのろうあ者の調査や生徒の就労支援を行いました。生徒の活動範囲を広げるために家族や地域の学校への手話の指導など、障害者とコミュニティとをつなぐ活動を展開しました。

国家規模の給与体系見直しプロジェクトで活躍

職場にて同僚と。右が白川さん

白川智久さん(職種=行政サービス、42歳、北海道出身)は、ボツワナの首都ハボローネの大統領府公務員庁公共サービス改革局に派遣され、同国の公務員給与体系見直しプロジェクトの一員として活動を行いました。日本を含めた他国(主に先進国)公務員の給与体系を調査し、ボツワナ公務員給与体系との比較を行うとともに、新しく導入される公務員の職業別給与体系の素案作成に大きく貢献しました。

教員養成校で運動会実施 体育普及の呼びかけも成功

実技研修で研修生に走り高跳びの技能ポイントを指導。中央が笹部さん

笹部透さん(職種=小学校教育、33歳、東京都出身)は、セネガルのティエス州教員養成校で、講義型の一斉指導が行われていた教員養成課程に実技、研修生の自己評価システムを導入し、現場の即戦力となる教員を養成しました。教員実習受入校では、運動会などの特別活動を目標設定ツールとして活用し、それまでほぼ行われていなかった体育、音楽、図工の授業の継続実施を達成しました。

ご接見では、それぞれの活動における任地の現状と課題について、関係者との協力の様子、取り組んだ過程やその成果などについて、両殿下にご報告させていただきました。また、活動中に気づいた日本との相違点や、帰国後の就業や進学における活動との結びつきなどに関するご報告についても、両殿下が熱心に温かく耳を傾けてくださいました。