JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2018表彰式:「世界の幸せのために私たちができること」

2019年3月5日

JICAは、次世代を担う中学生・高校生を対象に、開発途上国の現状や日本との関係について理解を深め、国際社会の中で自分たちがどのように行動すべきか考えるきっかけにしてもらうため、毎年エッセイコンテストを実施しています。「世界の幸せのために私たちができること」というテーマで開催された2018年度のコンテストには、中学生の部に3万7,748点、高校生の部に過去最多の3万4,738点の作品が寄せられました。2月23日、JICA地球ひろば(東京都新宿区)で開催された表彰式には、全国から上位入賞者が参加しました。

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北岡理事長のスピーチを聞くエッセイコンテストの入賞者たち

行動したことでできることが見えてきた

車いすを海外に送る活動をきっかけに、相手にとって一番必要なことを考えるようになった話す瀬川さん

受賞者を代表し、中学生の部でJICA理事長賞を受賞した瀬川大地さん(東京都・江戸川区立松江第五中学校3年)と、高校生の部で同じくJICA理事長賞を受賞した齋藤真緒さん(福島県・福島工業高等専門学校3年)が受賞の言葉を述べました。

瀬川さんは、自分が使いサイズが合わなくなった車いすを海外に送ったことをきっかけに、ものを送るだけでは解決しない問題もあることを知り、将来は海外で障害児を助ける仕事に就きたいと思うようになったことをエッセイに綴りました。「相手をよく知り何が一番必要かを一緒に考えなければ、本当の意味で世界を幸せにすることはできないと考えるようになった。そして、障害を持つ方々にもこのような発信の場があることを知ってもらい、もっと社会に参加してもらえればうれしい」とあいさつしました。

大地震後のネパールへの留学やエッセイコンテストへの参加を通じ、行動することの大切さを知ったと話す齋藤さん

福島県で東日本大震災を経験した齋藤さんは、大地震後のネパールへの留学や帰国後の活動を通して、世界の幸せのために求められているのは行動だと考えるようになったことをエッセイにまとめました。「留学、エッセイコンテストへの参加など、行動したことで誰かの幸せのために自分ができることが少しずつ見えてきた。皆と手を取り合って多くの方の幸せのために行動していきたい」と決意を語りました。

世界の課題解決に「ジブンゴト」として参加を

中学生の部の審査員長の尾木直樹さん

主催者としてあいさつしたJICAの北岡伸一理事長は、コンテストの過去の受賞作品3点が、2019年4月から使われる中学校の道徳の教科書に掲載されることになったことを紹介しました。さらに「さまざまな状況に置かれた人々への理解を深め、世界の課題解決に『ジブンゴト』として主体的に参加する意識を育んでほしい」と受賞者への期待を述べました。

中学生の部の審査員長を務めた教育評論家で法政大学特任教授の尾木直樹さんは、多くの作品が世界の問題を自分の問題に引き寄せて、自分の生き方や真の援助について考えていた点を高く評価し、「共に生きていく力強い仲間ができたと感じ非常にうれしい」と述べました。

高校生の部の審査員長の星野知子さん

また、高校の部の審査員長を務めた女優でエッセイストの星野知子さんは、今年は粒ぞろいの作品がそろい激戦だったと講評し、「審査員は読む人の心を豊かにしてくれる作品を自然に選んでいる。その意味でみなさんは人間としての魅力にあふれた人たちだといえる。文化や言語が異なる人たちとのコミュニケーションではその魅力が大事になるので、自信を持って国際協力について考えていってほしい」と受賞者を励ましました。

名誉審査員長の小山内美江子さん

名誉審査員長を務めた脚本家でNPO法人・JHP学校をつくる会代表の小山内美江子さんは、「みなさんの文章から、自分が進もうとする道を懸命に探していることが感じられた。そこがすばらしい」と受賞者を讃えました。

最優秀賞、優秀賞の受賞者には、副賞として海外研修が贈られています。 対象者は7月下旬、海外のJICAプロジェクトを訪問したり、ホームステイや現地の人たちとの交流を体験したりする予定です。