2019年7月11日
7月4日、JICA市ヶ谷ビル(東京都新宿区)の国際会議場で外務大臣感謝状授与式(外務省主催)が開催され、2年間の活動を終えて帰国した隊員(注1)74人が出席しました。授与式には来賓として、JICAボランティア事業を応援する国会議員や、現職参加(注2)の帰国隊員の所属先代表者も参加されました。
鈴木憲和外務大臣政務官は冒頭のあいさつで、「それぞれの国で、それぞれ出会った方々と信頼関係を築いたことは、草の根外交官として日本と途上国、世界との信頼関係の礎となっているということに感謝しています。それぞれの体験を次の世代の人たちに発信し、伝えていって下さい」とたたえました。
出席した帰国ボランティアを代表して、小学校教育隊員としてカンボジアで活動していた大石里奈さん(愛媛県出身)は「大らかな性格で、人とのつながりや家族を大切にするカンボジアの人たちのおかげで、日常にある小さな幸せに気付くことができました。現地の人と、文化や言葉の壁を越えて喜怒哀楽を共有できるJICAボランティアを心から誇りに思います」と挨拶しました。
授与式に続いて行われた懇談会では、来賓の3人が登壇しました。小田原潔議員は「日本のことを好きになってくれる人たちを育んでくれた」との言葉を寄せました。井上一徳議員は「みなさんは日本にとって素晴らしい大きな財産です」と述べ、薗浦健太郎議員は「今回の経験はみなさんにとってプラスになってもマイナスになることはない」とねぎらいました。
現職参加でドミニカ共和国にコミュニティ開発隊員として派遣された荒井孝雄さん(千葉県出身)が所属する株式会社アシックスの太田めぐみ氏(CSR統括部長)は、一番嬉しかったエピソードとして、荒井さんが現地の人々に「タカオ、タカオ!」と慕われ信頼関係を構築してきたことを紹介し、また、「高い志、モチベーションを会社に戻ってからも持ち続け、次の機会に生かしてほしい」と帰国ボランティアへの期待を述べました。
ブラジルで日系社会シニア・ボランティアとして活動した長谷川美津子さん(高齢者介護・愛知県出身)が活動を報告。「活動で困ったことはありませんが、立ち止まったことは何度もあります。そしていつも配属先の方々が助けて下さいました。一人で活動したという思いは全くなく、出会ったすべての方々との繋がりで活動できたと感謝しています」と話しました。
続いて、モルディブへ小学校教育の職種で派遣された太田洋舟さん(愛知県)が報告しました。太田さんは、現地教員が、主体的に授業ができるようにアドバイスを与え、またワークショップを積極的に開催。「最終的には現地教員のみで、準備運動・練習・メイン活動の流れで、体育授業を実施できる体制を確立することができました」と成果を紹介しました。
(注1)これまでに青年海外協力隊は92ヵ国に延べ44,913人、シニア海外ボランティアは77ヵ国に延べ6,497人、日系社会青年ボランティアが9ヵ国に延べ1,476人、日系社会シニア・ボランティアが10ヵ国に延べ542人派遣されています(2019年6月30日現在)。
【来賓国会議員】
薗浦健太郎衆議院議員(JICA議連)、小田原潔衆議院議員、井上一徳衆議院議員