各国で活動したJICA海外協力隊46人が出席:帰国隊員への外務大臣感謝状授与式を開催

2019年10月15日

10月3日、JICA市ヶ谷ビル(東京都新宿区)の国際会議場で外務大臣感謝状授与式(外務省主催)が開催され、2年間の活動を終えて帰国した隊員(注1)46人が出席しました。授与式には来賓として、JICAボランティア事業を応援する国会議員や、現職参加(注2)の帰国隊員の所属先代表者も参加されました。

経験を日本の社会に還元し、さらなる世界への架け橋に 

鈴木馨祐外務副大臣

鈴木馨祐外務副大臣は冒頭のあいさつで、「日本とは全く違う習慣、食生活、さらにはいろいろな地域の違いを乗り越え、皆様の能力と人間力、人格を存分に発揮いただいた。これからは長い人生の中で、皆様が得た経験を日本の社会に還元し、さらなる世界への架け橋となっていただきたい」とたたえました。

現地の人々とともに 

帰国隊員を代表して感謝を述べる竹本大起さん

出席した帰国隊員を代表して、マラウイで理科教育隊員として活動した竹本大起さん(埼玉県出身)が「活動中に自分がどれほど任国に貢献できているのだろうかと悩むこともあったが、現地の人々とともに生活し活動に励み、たくさんの仲間に支えられながら任期を全うすることができた」と2年間を振り返りました。

懇談会でも激励のメッセージ  

授与式に続いて行われた懇談会には、来賓として、17人の国会議員が出席されました。国会議員のみなさんからは「ダイヤモンドのような経験を生かしながら、世界、日本、人間の幸せのために今後とも活躍してください」との期待や、「貴重な経験をされて、そして人間的にもずいぶん成長された」「生活環境の異なる中で成果をしっかり出していて大変感銘を受けた」との評価の言葉をいただきました。

【画像】

懇談会の様子

帰国隊員への期待を述べる北岡伸一JICA理事長

続いて、北岡伸一JICA理事長が「2年間で得た経験を日本の状況に照らして役に立てていただき、将来の日本を背負う人材になっていただきたい」と帰国隊員への期待を述べました。

「今後の成長に期待」現職参加隊員の所属先団体    

挨拶を述べる野村氏

現職参加でマラウイに行政サービス隊員として渡邉拓人さん(熊本県出身)が所属する熊本県玉東町役場 野村義勝氏(総務課 総務課長)がご挨拶。「隊員経験を生かして、みなさんの地域や日本、そして海外の第二の故郷を照らす人材として成長することを期待している」と激励されました。

教え子たちの成長を実感  

活動報告を行う早瀬さん

帰国隊員を代表して、ベトナムで活動した早瀬幸博さん(体操競技・鹿児島県出身)が活動を報告。2016年カントー市に設立されたスポーツトレーニングセンターで活動し、「選手の多くは技術指導を受けていなかったため初心者レベルであったが、練習形態の改善・モチベーション向上に取り組み、活動2年目には全国大会で計26個のメダルを獲得するまでに成長した」と自身の活動を振り返り、「指導する子どもたちが自信を持ち、技が成功すると小さなガッツポーズをする姿を見ることができ、嬉しかった」と現地でのエピソードを紹介しました。

隊員経験を生かして今後も外国人をサポートしていきたい 

活動報告を行う三島さん

続いて、モロッコへ日本語教育の職種で派遣された三島幸子さん(日本語教育・長崎県出身)が活動を報告。「モロッコでは日本語を使って仕事をする機会は少なく、日本への留学機会も限られているが、学生たちは日本語・日本文化が好きで学んでいる」と現地の事情を説明。「宗教や文化の違いに戸惑ったこともあったが、同僚と話し、壁を乗り越えることができた」と報告し、「これからも隊員経験を生かし、日本語教育を通じて、外国人をサポートしていきたい」と強く述べました。

(注1)これまでに青年海外協力隊は92ヵ国に延べ45,294人、シニア海外ボランティアは78ヵ国に延べ6,514人、日系社会青年ボランティアが9ヵ国に延べ1,503人、日系社会シニア・ボランティアが10ヵ国に延べ546人派遣されています(2019年9月30日現在)(派遣時の呼称)。

(注2)

【来賓国会議員】
塩谷立衆議院議員、三原朝彦衆議院議員(JICA議連幹事長)、山本幸三衆議院議員(JICA議連)、松本剛明衆議院議員(JICA議連)、大島敦衆議院議員、伊藤信太郎衆議院議員、左藤章衆議院議員(JICA議連)、冨岡勉衆議院議員、金子恵美衆議院議員(JICA議連)、松下新平参議院議員(JICA議連)、白眞勲参議院議員、武井俊輔衆議院議員、新妻秀規参議院議員(JICA議連)、江島潔参議院議員、竹谷とし子参議院議員、櫻井周衆議院議員、井上一徳衆議院議員