ユニバーサルスポーツフェスティバル 2019開催:誰もが楽しめるスポーツで交流!

2019年12月18日

「ユニバーサルスポーツフェスティバル 2019」が12月1日、JICA東京(東京都渋谷区)で開催されました。このイベントは、障害の有無や年齢、性別、国籍などに関係なく、すべての人々がいっしょに参加できることを目指したスポーツ大会で、JICA東京が主催、特定非営利活動法人アジアの障害者活動を支援する会(ADDP)と共催しています。

ADDPは障害を持った人たちの「自らの可能性」と「持てる力」を最大限に活かして社会的自立を目指す支援を行っている団体で、現在、ラオスでJICA草の根技術協力事業として障害者スポーツおよびユニバーサルスポーツの普及プロジェクトを実施しています。

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風船バレーでは、お年寄りから子どもたちまでが一体となって、大きな盛り上がりをみせました

誰もが参加できる3つの競技で熱戦が繰り広げられる 

3回目となる今回の大会には、一般参加者や、各国から来日中のJICA研修員、サポートスタッフなど総勢100人を超える人々が参加。男性女性、大人と子ども、国籍、そして障害の有無まで、さまざまな人たちが集まりました。来賓として、ADDPの顧問も務めている八代英太・元郵政大臣のほか、横沢高徳・参議院議員、市川おさと・足立区議も同席されました。

参加者は8チームに分かれ、「卓球バレー」「風船バレー」「ボッチャ」の3競技で対戦。これらの競技に初めて触れる参加者も多く、ルール説明にも熱心に耳を傾けていました。

準備が整い、いよいよ競技に入ります。会場を3つに仕切って、同時進行的に対戦を行い、参加者全員が3つすべての競技を経験できる構成になっています。それぞれのコートでは、障害を持った方たちと交流する人や、海外の研修員たちと通訳を介して会話する人など、スポーツを通じたコミュニケーションで盛り上がりました。

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「卓球バレー」は、転がると音が鳴る卓球ボールを使ったチーム競技。ボールはネットの下をくぐり抜けて相手側に渡ります

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東京パラリンピックで期待の高まるボッチャが実施されました。まさにユニバーサルスポーツの代表格です

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約2時間に渡った競技会もあっという間に終わり、どのチームも、結果が発表されると、戦いを振り返って喜びを表していました

スポーツを通して垣根のない交流を実感  

「ゲームをしていて、障害の有無は関係ないと感じました。自分は車椅子に乗って参加しましたが、障害の垣根なしに楽しめました」。「アイマスク体験(卓球)が衝撃。あんな感覚になるとは、やってみないとわからないものですね」。初めての体験を楽しんだ参加者からいろんな感想が聞こえてきました。

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「参加する前は、外国の方や障害をもった人と、うまく接することができるか不安でしたが、今回スポーツを通じて自然に交流ができました。人との関わりは、頭で考えるより、一緒に楽しんだり、笑えたりすることが大切だと感じました」。競技を終えた家族は、そう感想を話しました

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JICAの課題別研修「障害者権利条約の実践のための障害者リーダー能力強化」のプログラムとして参加した研修員(左)は、「今日はとても良い一日でした。参加者と一体になって楽しめました。様々なこと、異なる文化、日本の文化についても学ぶことができました」とその感想を述べました

イベント運営を担当したJICA東京の石川章子職員は「今回はお子さんの参加がとても多く、一層にぎやかな大会になりました。海外からの研修員との交流もできていたので『途上国を身近に感じてもらう』というJICAの目標を達成するイベントになったと思います」と競技の様子を振り返ります。

また、中村由希ADDP事務局長は「誰もが参加できるユニバーサルスポーツは、東京パラリンピックも近づき話題になってはきましたが、まだまだ一部にしか知られていない存在です。今回のようなイベントがその入口となって、より多くの人に理解されるようになってほしい」と話します。

イベント開始時には、少し緊張している人もいましたが、競技を通して参加者全員の気持ちがつながっていくのを誰もが実感できるイベントになりました。2020年は、東京でオリンピック・パラリンピックが開催され、障害を持つ人も持たない人も、外国からやってきた人も日本の人も、スポーツを通してつながることで、より世界が広がっていくことが期待されます。JICAは、このような取り組みを推進し、スポーツを通じたインクルーシブ社会への理解促進、障害者の自立促進などをこれからも支援していきます。