各国で活躍したJICA海外協力隊の64人が出席:帰国した隊員への外務大臣感謝状授与式

2020年1月21日

1月16日、JICA市ヶ谷ビル(東京都新宿区)の国際会議場で外務大臣感謝状授与式(外務省主催)が開催され、2年間の活動を終えて帰国した隊員(注1)64人が出席しました。授与式には来賓として、JICAボランティア事業を応援する国会議員や、現職参加(注2)の帰国隊員の所属先代表者も参加されました。

顔の見える国際協力

中谷真一外務大臣政務官

中谷真一外務大臣政務官は冒頭のあいさつで、「皆様がその経験を活かして日本国内や国際機関で活躍されることが、キャリアアップに繋がりJICA海外協力隊の価値を高めることになると信じています」とたたえました。

今後も国際協力に関わり続けたい

代表挨拶をする梅谷さん

出席した帰国隊員を代表して、コミュニティ開発隊員としてラオスで活動していた梅谷菜穂さん(東京都出身)は「活動中は、自分は本当に任国に貢献できているのかと何度も悩みました。しかしやる気を持ってチャレンジし続ける農民のみなさんに励まされ、『新しいきっかけやチャンスを作ってくれてありがとう』という言葉を帰国前にもらったことがとても嬉しく印象に残っています。協力隊は、現地の人々がチャレンジするための種を蒔く存在なのだと感じました」と挨拶しました。

さまざまな分野での一層の活躍を期待

授与式に続いて行われた懇談会では、8名の来賓の方が登壇しました。伊藤信太郎衆議院議員は「人と人の信頼関係、またお互いの文化を理解する力、そしてこれから同じ良い未来を作っていこうとするその共感がグローバル社会の未来を築いていくと思います。みなさまの活動が大きな礎を作ったと思います。今回の経験を活かしながら、それぞれの立場でさらにご活躍なさることを大いに期待したいと思います」とねぎらいました。

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懇談会の様子

「国際的なマインドを活かし」 現職参加隊員の所属先企業

期待の言葉を述べる熊谷氏

現職参加でペルーに観光隊員として派遣された志賀容子さん(新潟県出身)が所属する東日本旅客鉄道株式会社新潟支社の熊谷大作氏(運輸部長)は、「志賀社員は、非常に多くの経験をして飛躍的に成長を遂げてくれたと思いますので、ぜひ職場に戻ってさらに当社グループの発展に寄与していただきたい」と帰国隊員への期待を述べました。

野球を通じて大きな夢を持って努力して欲しい

活動報告を行う宮田さん

ブラジルで日系社会青年海外協力隊の野球隊員として活動した宮田瑠星さん(鹿児島県出身)が活動を報告。「灼熱のアマゾンで2年間、白球を追いかけた子ども達と野球を通して共に異文化を学び、私自身も人として成長できたことを誇りに思います。そして将来、彼らがこの経験を活かして任地のマナウス、そして世界で活躍してくれることを願っています」と話しました。

2年間の経験を社会に還元していきたい

活動報告を行う大倉さん

続いて、ザンビアへ小学校教育隊員として派遣された大倉優枝さん(東京都出身)が報告しました。「毎日、井戸へ通い、バケツを頭の上にのせて水を運び、早朝から火をおこしたり、ヘッドライトで生活をしたりと日々アフリカでの生活の不便さを感じていました。しかし、日に日に不便な状況に動じなくなる自分自身のたくましさに、唖然とすることもありました。今後は、日本で教員としてこの2年間の経験を社会に還元していきたいと思っています。日本とは違う世界の子どもたちの生き方や状況を、日本の子どもたちに伝えていける先生になっていきたいです」と話しました。

【来賓】
北村誠吾衆議院議員、櫻田義孝衆議院議員(JICA議連)、松本剛明衆議院議員(JICA議連)、伊藤信太郎衆議院議員、羽田雄一郎参議院議員(JICA議連)、山田賢司衆議院議員(JICA議連)、井上一徳衆議院議員(JICA議連)、櫻井周衆議院議員(JICA議連)、本田顕子参議院議員(JICA議連)、鈴木宗男参議院議員代理秘書、三原朝彦衆議院議員代理秘書、馳浩衆議院議員代理秘書、室井邦彦参議院議員代理秘書、熊谷大作氏(東日本旅客鉄道株式会社 新潟支社 運輸部 部長)、戸嶋哲也氏(東日本旅客鉄道株式会社 新潟支社 長岡運輸区 区長)、星弘士氏(東日本旅客鉄道株式会社 新潟支社 運輸企画課 主席)

(注1)これまでに青年海外協力隊・海外協力隊は92ヵ国に延べ45,515人、シニア海外協力隊は78ヵ国に延べ6,536人、日系社会青年海外協力隊が9ヵ国に延べ1,509人、日系社会シニア海外協力隊が10ヵ国に延べ546人派遣されています(2019年12月31日現在)。