特集

世界の「新年」−こんな新年、ご存知ですか?−(パラグアイ、マダガスカル、モルディブ、モンゴル)

世界には、日本とは異なるさまざまな「新年」の迎え方があることをご存知ですか?

JICAは海外約100ヵ所に拠点を持ち、職員をはじめ、専門家、現地スタッフ、JICAボランティアなど、多くのスタッフが地域に寄り添い活動しています。

そんなJICAスタッフだからこそ伝えられる、途上国の隠れた魅力たっぷりの「新年」レポートが各地から届きました。日本が新しい年を迎えたばかりのこの時期に合わせて、紹介します。

2017年、世界中が笑顔に溢れ、希望に満ちた一年になりますように。

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【パラグアイ】実家でほっこり…日系移住地の新年

新年早々、南米パラグアイはバケーションシーズン。

パラグアイには旅行運が開けるようにとスーツケースを持って近所を歩きまわる習慣があり、実際に国内旅行やブラジルのビーチなどへ旅行する人たちも多くみられます。

そのほか、12ヵ月分の願いを込めて12粒のブドウを食べる、白や黄色など鮮やかな色の新しい服を着る、枕の下に紙幣を置いて寝るなどが、一般的な新年の習慣です。

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大晦日。親戚、近所の方々への挨拶回り

一方で、日本と似ている新年の過ごし方も。

昨年、パラグアイでは「日本人移住80周年」を迎えました。

ラ・コルメナ移住地が最初に開拓されて以来、現在では9つの日系移住地・社会がありますが、移住地を離れて主要都市で仕事や勉強している日系人も多く、日本と同じように、「実家に帰る」習慣があります。

日本とパラグアイの時差は12時間で、新年を迎える季節は夏。

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実家で餅つき

蝉の泣き声が響く大晦日、「紅白歌合戦」を見ながらの朝食の後は、家族・親戚が集まって餅つき。そして、お正月にはみんなでお雑煮を食べながら、1年間の出来事や思い出話に花を咲かせます。とても心あたたまるひと時です。

みなさんはどんなふうに新年を迎えましたか?真夏のパラグアイから−Feliz año nuevo (あけましておめでとうございます)、いい年になりますように−

レポート:林りさ(ナショナルスタッフ)

【マダガスカル】ごちそういろいろ!鶏肉料理に、「鏡開き」も!

世界で4番目に大きな島「マダガスカル」。とても多様な文化があるのですが、今回は首都・アンタナナリボでの一般的なお正月をナショナルスタッフから、そしてマダガスカルで体験した「鏡開き」について柔道隊員から紹介します。

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新年のごちそう鶏肉料理!(食べ損なった場合、2月、3月になったとしても必ず食べなくてはなりません…)

「元日。両親や家族とお昼ご飯に、祭事・尊敬・長寿の意味を持つ伝統料理「Solombodiakoho(スルンブディアクフ)」を食べることから始まります。普段は高級で食べられない、鶏肉の脂身たっぷりの部分の煮物です。鶏肉ではなく、鴨やガチョウのこともしばしば。

でも、大切なのは「何を食べるか」ではなく「家族みんなで食べること」。一年の家族全員の幸せを祈願します。さらに、「自分を育ててくれた両親を忘れず、これからは自分たちが両親を支える番」という気持ちを新たにするのです」

そして、協力隊員の活動先である柔道クラブでは「鏡開き」のイベントが行われました。

「『クーバ』と呼ばれる、米粉とピーナッツでできたマダガスカルの庶民に愛されているケーキが餅の代わりでした。そして、マダガスカル風お汁粉も振舞われました。小豆にひき肉と野菜を混ぜた塩味のスープでしたが、意外に美味!

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写真左/隊員によるデモンストレーション。日本人の一挙手一投足を見よ!中央/輪切りにしたクーバと塩味のお汁粉。右/畳の上に正座で会食

お腹を満たしたところで始まったのは子どもたちの合唱。柔道では、「形」の講習会のほか、先生と生徒との真剣勝負もあり、大盛り上がりの鏡開きとなりました。マダガスカル人が日本の伝統行事の価値を理解し、実践していることに私自身が感銘を受け、日本の文化を見つめ直すお正月になりました」

レポート:高橋歩(職員)、ヤリス(ナショナルスタッフ)、水野泰晴(青年海外協力隊・柔道)

【モンゴル】極寒の地でのパーティーは「熱い」!

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ウランバートルの広場に設置された巨大モミの木

12月、モンゴルの首都ウランバートルでは煌びやかなモミの木「ヨールカ」(ロシア語で「小さなモミの木」を意味)が街中を彩りますが、これは新年を祝うために飾られたもの。大晦日に子どもたちにプレゼントを渡し、新年を家族で迎えるのがモンゴル流です。

それに加え、都会っ子が新年を迎えるために外せないのが「シンジリーン・バヤル」。モンゴル語で「新年のお祭り」を意味します。12月中〜下旬にかけて、友人や職場の仲間などで集まって行う盛大なパーティーです。

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お店に並ぶ新年の飾り。ウブリーン・ウブグン(冬のお爺さん)がプレゼントを運んでくるとか

昨年、私も初めて、いくつかのシンジリーン・バヤルに参加。普段仕事で接する関係者も、国籍を問わず、この日ばかりは艶やかなドレスやタキシードなどで着飾り、パーティーを華やかに演出します。ダンスタイムともなれば、ミュージシャンの演奏に合わせて会場の熱気は最高潮!マイナス30℃も珍しくない極寒の地にいることを忘れそうになります。

そして2年目の今年ももちろん参加。昨年は圧倒されっぱなしだったものの、今年は人生初の蝶ネクタイを身に付け、モンゴルの伝統衣装「デール」も用意して臨み、モンゴル人と一緒にパーティーを思う存分楽しんだのでした。

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「デール」を着てダンス

レポート:泉恵太(職員)

【モルディブ】小さな島がスポーツで盛り上がり最大級!?

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朝にマンディ、午後にボンディ

インド洋に浮かぶ約1,190もの島々から成るモルディブ。日本では、新年の始まりの1月1日が1年で一番盛り上がる日ではありますが、モルディブはイスラム教国のため、いつもと変わらず過ごします。

しかし、個人的には日本のお正月とは比べものにならないと思うほど、熱気に溢れる日があります。それは、「イード」。日本では「犠牲祭」と呼ばれているお祭りです。

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夜にバレーボール

イードの期間は、イスラム暦によって毎年変わるのですが、昨年は9月の5日間。普段、モルディブ人はのんびりと過ごしていますが、イードの時は違います、とんでもなく活発になります。島によってお祝いの仕方はさまざまですが、私の任地ニランドゥ島では、朝から晩までスポーツイベントが目白押しでした。

島の人々が4チームに分かれて行います。

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最後にロニー、そして明日も朝にマンディ…(5日間続く)

午前中は「マンディ」というモルディブの伝統的なスポーツ。木の棒で木の球を叩いて浮いたところを打ちます。午後は「ボンディ」という野球に似たゲーム。そして、夕方と夜はバレーボール大会。そして最後は、私が赴任している島ならでは(?)の「ロニー」。陣取り合戦のようなオリジナルゲームです。

このローテーションが、食事とお祈りの時間を除いて、イードの間ずっと続くのです。

島が一体となって楽しんでいる光景に圧倒されながらも、人々の親密さと心の豊かさを感じました。

レポート:鰐淵勇太(青年海外協力隊)

「モルディブ」月間特別展示開催中!(JICA地球ひろば)

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パネルや民芸品の展示も

月替わりでさまざまな角度からその国や地域の魅力を紹介している「月間特別展示」。1月はモルディブです。レストランJ'sCafeではモルディブ名物「マスリハ(フィッシュカレー)」と「ククルリハ(チキンカレー)」もご提供。この機会にぜひお越しください。

「月間特別展示」監修のモルディブ大使館より、新年のメッセージが届きました!

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モルディブ大使館 Adam Hamid一等書記官より

「モルディブと日本は常に親友として付き合ってきましたが、近年その関係性をさらに深めることができ、大変光栄に思います。

今年は国交樹立50周年の佳節を迎えます。人的交流や貿易、経済面での関係は何百年もさかのぼりますが、正式な外交は1967年に始まりました。

両国の密接で有効な二国間関係にはとても重要な背景があります。しかし、モルディブと日本をつなげる最も強い要素は、おそらく理想と主義の共通性によるものではないでしょうか。

モルディブは、日本との密接な友好関係により著しい恩恵を受けてきました。特に、日本の活動はモルディブの社会経済発展の面で大いに寄与しています。

今後もモルディブの発展におきまして、日本政府と日本国民の皆さまのお力添えをいただけますよう、心より願っております。

この場をお借りし、友好的な日本国民のみなさまにとりまして、新年が健康で実り多い年となることを祈念してごあいさつ申し上げます」

−昨年紹介した各国からの新年レポートはこちらから。ぜひ、合わせてご覧ください。

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伝統衣装で教会へ(トンガ)

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波を7回飛び越えます(ブラジル)

−「世界HOTアングル」では、世界各地のJICA関係者による活動紹介や、現地の文化・伝統紹介など、協力の現場から生の声を更新中です。