【Featuring Africa】コートジボワールへの本格協力再開

−「第二の象牙の奇跡」に向けて−

2013年5月8日

西アフリカ、ガーナの西側に位置するコートジボワール。その国名はフランス語で「象牙海岸」を意味し、かつては象牙貿易で栄えたことに由来する。現在は世界最大のカカオ輸出国であり、またディディエ・ドログバやサロモン・カルーなど世界的サッカー選手を多く輩出する国でもある。また、西アフリカ地域の中心的な国の一つとして政治的にも大きな役割を担っており、現在は西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の議長国を務めている。かつて「象牙の奇跡」と呼ばれる経済成長を遂げたこの国が、長期にわたる内戦を乗り越え、「第二の象牙の奇跡」を目指して動き出している。

長年続いた内戦からの復興

交通渋滞が問題となっているアビジャン中心市街

コートジボワールは、1960〜80年代にかけて、カカオやコーヒーの輸出を軸に「象牙の奇跡」といわれるほどの経済成長を遂げた。しかし、1990年代の政治不安とクーデター、2000年代の2度の内戦により、社会的、経済的に大きく停滞することとなった。

その後、2011年のアラサン・ワタラ大統領の就任、続く国民議会選挙の実施を経て、長期にわたる混乱からようやく脱却し、国全体が復興に向けて大きく動き出した。

10年ぶりの協力再開は日本の経験を生かした都市計画の策定

JICAは2011年に内戦が収束すると、いち早く職員を現地に再配置し、7年ぶりに事業の本格化に向けた調査や研修事業などの協力を再開した。2013年3月には、約10年ぶりの技術協力プロジェクトとなる「大アビジャン圏都市整備計画策定プロジェクト」を開始した。

プロジェクト総括の郡司勇専門家(右)が、建設住宅衛生都市計画省バンバ・ズマナ参事官に概要レポートを提出

コートジボワールの最大都市アビジャンで都市計画が策定されたのは1994年。350万人の人口を想定して策定されたが、内戦による戦禍を避けるため避難民が流入し、人口はその2倍にも膨らんだといわれる。かつては「西アフリカのパリ」と呼ばれた美しい景観を持った都市は、現在では無秩序な土地利用、生活インフラの絶対的な不足、公共投資の不足といった問題を抱えている。今回のプロジェクトは20年ぶりとなる都市整備計画の策定を支援することになる。

プロジェクトは、2011年にJICAがセネガルで開催した研修に参加した建設住宅衛生都市計画省のクラ・クマン都市計画局長が、JICAが手掛けたべトナム・ハノイの都市計画マスタープランに感銘を受け、協力を求めたことがきっかけとなって始まった。第2次世界大戦後、急速な経済成長や人口増加による都市問題を解決してきた日本の技術や経験が、アビジャンの機能回復とさらなる発展のためのノウハウとして活用されることが期待されている。

近年、政情・治安が不安定なサヘル地域を抱える西アフリカで、政治・経済の中核を担っていたコートジボワールの復興は、さらなる地域全体の平和と発展の要となる。JICAは「第二の象牙の奇跡」を一日も早く実現するため、支援を加速していく。

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