農村女性支援の担い手として −途上国さらに日本の農村のために−

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社団法人 農山漁村女性・生活活動支援協会
富澤ひとみ

いつも笑顔で元気よく研修員に接している富澤さん。今、生活改善運動など日本の農村女性支援の取り組みが途上国でも注目されています。日本、そして途上国の農村女性支援を行っている富澤さんの想いとは。

 「先生とこんなに親しくプライベートや担当業務について話し合えた研修は初めて。私や私の祖国を尊重してくれてとても嬉しい」 と目を輝かして語ったウガンダの研修員。これは、途上国の人々と共に築いていく国際協力を常に志向してきた私にとって、これまでの活動に対する評価と自信を与えてくれた一言でした。

 開発援助が複雑に入り組んだ途上国では、非西欧の日本が西欧技術を独自の形で吸収し近代化を図った経験や、戦後復興と高度成長を成し遂げた経験に対する関心が強く、日本が果たす国際協力の場は確実に広がっています。

 現在担当しているJICA集団研修「農村女性能力向上コース」は、途上国の農村女性支援に携わる公務員、NGO職員などを対象とする日本国内の研修で、期間はおよそ2ヵ月半です。主なテーマは、今日の日本の農村女性の活躍の基礎を築いた生活改善活動、農村女性起業家の活躍、男女共同参画への取り組み等で、テーマ毎に計3回の地方視察が含まれています。

 当研修の特徴は、ともすれば「援助慣れ」しがちな途上国の研修員に対し、日本の生活改善活動の基本である既存のリソース(人・物)の活用、地域住民の自己改革と主体性をベースとする生活改善実行グループの育成について、様々な創意工夫を凝らし、実践的ノウハウを効果的に習得させることです。
 また、「いつでも、どこでも、誰もが持っている資源(人・物・予算など)を活用し、出来ることから取り組めるプラン」を「生活改善実行プラン」と位置付け、このアクションプランの作成及び実施を支援しています。研修終了後の事後プログラムとして、帰国した研修員は、援助に頼ることなく自らのアクションプランを実施し、これを通じて日本での研修成果を自国の農村女性のエンパワーメントに活かしています。

 私はいわゆる何でも屋で、事務局のコーディネート、講師、地方視察でのファシリテーション、生活改善実行プランの作成及び実施に関する指導・アドバイス、さらには研修のホームページの運営・管理も担当します。これらを通じて常に研修員の身近にあり、深い信頼関係を築くことができ、また日々の学習成果を実感できることは、大きな喜びでありやり甲斐です。

 また、地方視察地の関係者(女性グループ員、普及指導員、地方自治体等)と研修員の橋渡しも、当研修業務中で楽しみにしている仕事の一つです。「農村」、「女性」というキーワードでつながる双方は、言葉の壁を越えてすぐに意気投合し、刺激的な交流がなされています。さらに、普及指導員の方々が日々実践している普及指導について学べることは、研修員のみならず私にとっても大変勉強になります。

 こうして培われたネットワークは一時的なものではありません。先日は、以前お世話になった普及指導員の方から、「海外の男女共同参画の先進的な事例を教えてほしい」との依頼を受けました。このように、日本の事例を途上国に紹介するだけでなく、海外の先進事例を日本に紹介することによって、日本の農村女性に対しても貢献の機会があります。視察研修後1年以上経っても、私を思い出してくださったことにも感激しました。
 これからも、研修員のパートナーを末永く努めると共に、日本の農村女性の方々のお役にも立てるよう、仕事の幅を広げていきたいと思っています。

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農村女性起業グループのリーダーさんとの出会い

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生活改善実行グループ員さんと活発に意見交換

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地元の食材を使ったお弁当を試食

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軽トラックの荷台に乗ってみんなで森林を見学

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農家ホームステイの最終日−涙のお別れとなりました。