日本の戦後の生活改善の経験を世界へ伝える

【写真】米山 由子長野県松川町議会議員
米山 由子

エルサルバドルでのご講演

エルサルバドルでのご講演

米山由子さんは、長野県の生活改良普及員として40年以上のご経験を持ち、現在長野県松川町議会議員としてご活躍されていますが、長年にわたり、JICA筑波で実施中の課題別研修「中南米地域生活改善アプローチを通じた農村開発」コースにご協力いただいています。
この研修では、日本の戦後の生活改善の経験を活用して農村開発に活かすことを目標としており、本邦研修での研修旅行先として、ほぼ毎年、長野県松川町を訪問しています。
今回、米山議員には本邦研修に続く中米エルサルバドルで実施された完研修にも同行いただき、生活改良普及員としてのご経験を講演いただきました。エルサルバドルでの在外補完研修に同行いただいた直後に、お話を伺いました。

帰国研修員の活動について

帰国研修員側は黒子に徹している印象があり、研修自体が良くなっているので、自分達が学ぶ機会をとらえていたのではないかと思われました。各研修員は非常に熱心で、問題意識を持って参加している様子が見られました。質問も具体的で、今後の活動を踏まえた質問も多かったので、帰国後に何らかの活動が見られるのではないかと期待しています。

エルサルバドルにおける生活改善活動について

カマドの改善事例

誇らしげに台所改善の説明

プエルトカバージョでの活動については、住民の自分自身の意識改革はできていますが、より暮らしや農業の改善をして人間らしい暮らしができるようになることが重要だと考えます。
人間開発と生活技術や農業技術の向上によって生活の質が改善されるので、生活改善アプローチについて、自分自身、家族、コミュニティ、社会の意識の変化が重要であるという点が強調されている印象を受けましたが、精神面だけではなく、生活の技術を普及することも大切で、生活技術の改善を伴って生活の質的向上を図ることがよりよい暮らしに結びつくものと思います。今後は普及員に対する研修や支援等の拡充も必要になりますね。
行政側の体系的な支援と普及員の増加、農民側の声を行政に届ける農民の姿勢や仕組みが必要です。

本研修について

本邦研修の後に実際に生活改善活動の現地を訪れて事例研究をすることで、日本で学んだこととの整合性を持たせることができるので、とても良い枠組みだと思います。理論だけではなく、現場を見て考え方の修正もでき、現実の厳しさや、頭の中だけで考えていた重点事項を現地で視察することで修正できます。また、訪問した住民の方々にとっても誇りと励ましとなっていたと思います。

研修員の帰国後の活動について

今回の研修員は、管理職が多く、改善計画の企画、立案においては十分と思われますが、生活改善アプローチは現地の農村、農民とかかわって活動推進を行うことが成果に結びつくことなので、アクションプランを関係機関、現地担当者と十分共有し、具体的推進がはかられるよう努力してほしいと思います。応援しております。

JICA筑波の研修事業について

松川町研修での集合写真

小学校での交流

松川町でも町として研修事業を受け入れる体制ができ、町が研修を受けることで、自分達の研修にもなっています。町がこんなに役に立っている、という実感があると思います。JICA中南米部主催のコスタリカセミナーの開催もあって、町民の理解も深まっています。良い勉強をさせてもらって良かった、という意見も協力してくださった町の方々から聞かれるようになりました。
松川町での研修計画には小学校との交流も設定していて、小学生にとっては異文化との接触のとても良い機会となりました。北小学校では、PTA対象のアンケートの中で、グアテマラとの交流が素晴らしく良いことをしてくれた、と記載され、親からも関心を持ってくれているということが確認されています。今後もできる限り協力いただきたいと思っており、県立松川高校(普通科)との交流等もぜひ検討をお願いしたいと思います。

取材後期

いつもパワフルで明快にお話しくださる米山さん。今回も明るくかつ理論的にお話しくださいました。今後ともJICA事業へのご協力、どうぞよろしくお願いいたします。