パラグアイでのシニア海外ボランティアの活動

【写真】尾台 昌治元シニア海外ボランティア(牛乳生産改善) 20年度1次隊
尾台 昌治

国際協力活動への思い

農家でのお昼

40年程前、国際協力に参加したいという思いから青年海外協力隊に応募し、ザンビアへ派遣という切符を手にした。しかし、諸般の都合により断念せざるを得ず、それ以来いつか海外で技術協力をとの思いを胸に秘め仕事に没頭した。定年が近づくとともに封印していた開発途上国で活動したいという思いが再燃し、定年後、一念発起してシニア海外ボランティアに参加しようと決意した。

不安は語学

講習会の様子

技術的な問題についてはこれまで仕事の中で培ってきた経験、知識、技能で対処できるのではと考えていた。健康にもそれなりに自信があった。しかし、語学は不安だったため、合格を目指し日々こつこつと英語を勉強した。パラグアイへの派遣が決まり、派遣前の訓練で現地の公用語のスペイン語を一から習い、語学習得の辛い日々が続き、現地で活躍ができるのか不安を抱えての船出となった。

様々な問題点

搾乳指導の様子

着任し、いよいよ活動が始まると、語学に不安を抱えながらも、今までの経験からすぐに様々な問題が見えてきた。当初、配属先である農協からの要請は牛乳生産改善であり、自分の専門でもある飼料の給与の改善によって牛乳生産を高めようと思っていた。しかし、緊急に対処しなければならなかったのは、牛乳の生産改善ではなく搾乳機の衛生管理とその取扱いの不適切によって生じる出荷牛乳の細菌汚染の対策であった。

多忙な日々と喜び

そこで、搾乳機の洗浄方法、適切な洗剤の使用に関する小冊子を作成、配布し、乳質改善のための講習会を逐次開催した。また、任期の2年間で農協の技術者と約100軒の農家を巡回して現場で直接指導した。このような地道な作業の結果、出荷牛乳の細菌数が減少し牛乳価格が上がったと喜んで報告してくる農家もあった。技術を伝える為には、何度も現地に出向き根気強く指導することが大切だと知るとともに自分の喜び、励みとなった。

任期終了、帰国後の活動に向けて

あっという間に任期を終え、終わったという達成感よりも、やり残した悔しさの方が大きく残った。特に酪農の発展のために農家や農協に対してたくさんの改善点や技術向上すべき点がある。配属先には搾乳機の使用方法や、日常の保守点検を指導できる技術者もいない。そこで現在赴任期間中に小冊子にできなかった説明資料「搾乳機の取り扱いと乳房炎」を帰国後にまとめ、農協に原稿を送付した。そして印刷して現地の農家に配布してもらい搾乳の改善の一助になればと思っている。

今までの経験や知識が開発途上国の酪農発展のために必要とされ、活動の場がたくさん残っていることを実感した。健康を維持し、家族の同意が得られるか未知数であるが、機会があれば再び海外での活動にチャレンジしたいと思っている。その思いは帰国してから日が経つに従って高まっている。語学力向上の努力だけは続けたい・・・。