水戸市で「茨城県内企業に聞く!JICA支援事業の活用」と題し、海外展開支援事業紹介セミナーを開催しました

2016年3月30日

ODAを活用したJICA中小企業海外展開支援事業紹介セミナーで、茨城県内企業3社がJICA支援事業の活用について講演

 2月16日、茨城県水戸市の水戸プラザホテルで、JICAの中小企業海外展開支援事業を受託した茨城県内の中小企業3社による応募動機や現在の活動状況などの講演を通じて、海外展開支援事業を紹介するセミナーを開催いたしました。当日は、企業や支援機関などから、県外からの参加者も含め50名余の方が参加し、茨城から世界へ飛び立つ地元企業の具体的な話に、支援事業への理解を深めていただくことができました。

 冒頭、JICA筑波の芳賀所長から、中小企業海外展開支援事業の背景や現状、さらに、実施予定のベトナム現地調査団(農業分野)派遣などに言及したご挨拶を申し述べました。続いて、株式
会社茨城製作所、株式会社照沼勝一商店、休憩を挟んで株式会社あ印の順で、各社の中小企業海外展開支援スキームへの応募動機や活動状況について講演が行われました。

 日立市の株式会社茨城製作所からは、渡辺あしな氏が「軽水力が未来を拓く〜ヒマラヤ農村貧困地区における軽水力発電機導入案件化調査〜」と題して、製品の発電稼働映像を交えながら、案件化調査応募の背景、調査内容、調査スケジュールなどを説明されました。再生可能エネルギー及び省エネルギー事業を通じて持続可能な社会の実現に向けて貢献をするという会社のミッションの下、東日本大地震の経験から自社開発した「軽水力」発電機(製品名:Cappa)などによる海外展開を検討する中で、JICAの支援事業を知り応募に至った経緯のほか、案件化調査を通じて、社内技術力や社員のモチベーション・能力の向上が図られたこと、さらに、異文化交流を通じて新たに得た多くの人々との関係構築により、海外事業展開の可能性を見出したことなどが紹介されました。そして、案件化調査を踏まえて、次は普及・実証事業に応募したいとの抱負が述べられました。

 アフリカ・タンザニアでの先行事業であるJICAの協力準備調査(BOPビジネス連携促進)で「タンザニア干しいもプロジェクト」を進める那珂郡東海村の株式会社照沼勝一商店の照沼勝浩社長からは、タンザニアの首都ドドマでの干しいもづくりが始まったきっかけやそのドドマ周辺がサツマイモの一大産地で、一部地域では干しいもが保存食としてつくられているとの説明がありました。さらに、タンザニアの地域語で干しいもを意味する「マトボルワ」という社名の現地法人を設立し、芋けんぴやサツマイモの端境期に生産したドライフルーツを現地で販売したところ、非常に好評で輸出のオッファーがあったことが報告されました。あわせて、日本人にとってまだ遠い国であるタンザニア・ドドマのサツマイモ畑や市場の風景、店頭に並ぶ芋けんぴなどがたくさんのスライドで紹介されました。干しいも原料のサツマイモの品質向上と貯蔵技術の指導により市場志向型農業への展開が今回の「市場志向型農業を可能にするサツマイモの品種、栽培・貯蔵技術の普及・実証事業」の目的ですが、3月にひたちなか市で開催される「第1回世界ほしいも大会」の告知もあり、茨城の干しいもから世界の干しいもを目指す地元の干しいも生産にかける強い期待が感じられました。

 最後に講演したのは、「有効利用されていない縞タコの加工・衛生管理技術の普及・実証事業」が採択されたひたちなか市の株式会社あ印の葛貫賢治部長。社名の由来や約50年前のアフリカ産たこの輸入加工開始の背景、さらに、近年のたこの輸入価格の上昇により新しい産地開拓が必要になり、インドネシアでの加工を目指すことになった背景などが紹介されました。海洋国家として豊富な水産資源を生かすための加工技術を向上させたいインドネシアの思い、インドネシアのタコを日本にも輸出しアフリカに並ぶ2大産地にしたいたいという当社の思い、さらに日本食をインドネシアに広めたい食品スーパーマーケットなどの思いが重なり、原料供給から生産、販売までのバリューチェーン構築を目的に普及・実証事業応募に至った経緯が説明されました。さらに、当社の地元であるひたちなか市はタコ加工日本一ということで、タコの普及を通じて地元活性化を進めていますが、加工や品質管理の技術をインドネシアの人達に教えることにより、同国の発展にも貢献しながら、タコの普及活動を進めたいとの抱負が述べられました。

 企業講演の後に、JICA筑波より、講演された企業が受託した中小企業海外展開支援事業を紹介してセミナーは終了しましたが、続いて開催された名刺交換会・懇親会にも、セミナー参加者の多くが参加され、初対面の企業間でも「何か一緒にできないか」というような話も出るなど講師の企業や参加者との間で活発な交流が行われました。

 セミナーアンケートでは、県内企業の実践例、具体例をもっと聞きたいという声がありました。JICA筑波では、今後とも栃木県並びに茨城県の企業様に役立つ情報・支援事業を提供してまいります。さらに、本支援事業を通じて、企業や開発途上国のみならず、地元の活性化にも寄与してまいります。


【お問い合わせ】JICA筑波 研修業務・市民参加協力課 小峯賢治
        Tel:029-838-1117 E-mail:Komine.Kenji@jica.go.jp