2月23日(木)、宇都宮市で「ODAを活用した中小企業海外展開支援事業紹介セミナー」を開催しました!

2017年3月3日

〜JICA専門員による東南アジア・フードバリューチェーンの解説と佐野市の里山エネルギー(株)によるマダガスカルでの基礎調査事業の紹介が行われました〜

JICA筑波 芳賀所長

2月23日(木)、宇都宮市のホテル東日本宇都宮で「海外ビジネスにおけるJICAの活用」と題して、ODAを活用した中小企業海外展開支援事業紹介セミナーを開催しました。
JICA筑波の芳賀所長の挨拶に続いて、東南アジアにおける農業生産・流通の課題、そして、それらの課題解決と中小企業海外展開の双方をめざすJICA中小企業海外展開支援事業についての説明が行われ、最後に支援事業を活用している栃木県内企業からマダガスカルでの活動状況が紹介されました。また、栃木県産業労働観光部国際課ならびに栃木県国際交流協会からも、それぞれの海外展開支援事業などの説明が行われました。

東南アジアで求められる安全安心農産物への需要と流通システムの向上

稲葉JICA国際協力専門員

JICAの稲葉国際協力専門員から、ベトナムのホーチミン市、ハノイ市など大都会では大型ショッピングモールが急速に増加する中、日本では当然である農産物の安全性が第一に求められていることやインドネシアでは農産物流通システム・食品市場の近代化がアセアン諸国比較において低い水準にあり、一定の品質と安全性を備えた産品の安定的調達が難しいことなどが報告されました。
さらに、東南アジアの途上国に共通する農業生産・流通の課題として、収穫前後の不適切な取扱い、流通インフラ不備等により、農業生産物の約30〜40%、種類や場所によっては約50%が実際に消費されるまでに損失となっていることや輸入農産物の産地偽装による消費者からの信頼失墜などが指摘され、JICAが相手国政府とともに、その解決のために農業振興や農産物流通システム改善などの支援プロジェクトを展開していることが紹介されました。
また、ベトナムにおける中小企業海外展開支援事業による日本式選果機導入事例が紹介され、日本企業の進出の可能性が示唆されました。

廃物物をエネルギーに! マダガスカルの森林減少を防ぐ

上岡社長
(里山エネルギー(株))

野口課長補佐
(栃木県産業労働観光部国際課)

影山課長補佐(栃木県産業労働観光部国際課)

小林事務局長(栃木県国際交流協会)

昨年、アフリカのマダガスカルにおけるハイブリッド型ロケットクッキングストーブとエコ燃料の製造販売事業で基礎調査に採択された栃木県佐野市の里山エネルギー株式会社の上岡社長からは、応募の経緯や調査目的、調査概要などが説明されました。
同社は、よそから化石燃料を持ち込むのではなく、自然との共生をベースに、地域にある資源、すなわち、太陽や森の恵み、水や空気、風の流れ、廃棄物などをエネルギーに変える社会づくりを目指しています。
 マダガスカルが薪や木炭のための伐採で森林が危機的な状況にあるという課題を抱えている一方で、廃棄された製材オガ粉や未使用のもみ殻が大量に存在することを知った同社は、これらの廃棄物をエネルギー資源に転換し、かつエネルギー効率の高いロケットクッキングストーブの普及で、廃棄物エネルギーの利用を促進することにより、課題解決とビジネス展開の可能性を感じたものの、事前調査の費用がネックでした。そこで、基礎調査へ応募。採択されたことで、森林減少の防止、地球温暖化の防止に向けて、第一歩を踏み出すことが出来きたとの説明がありました。

途上国の課題とJICA支援事業の理解を深める

熱心に聞き入る参加企業の皆様

稲葉専門員による現地写真を多く使ったわかりやすい説明と音楽業界出身の上岡社長の上手なトークで、50名を超える参加者に、途上国の現状とJICAの支援事業に対する理解を深めてもらうことができました。セミナーに続いて開催された懇親会では、講演者やJICA職員に多くの質問や相談が寄せられ、参加者の関心の高さがうかがわれました。
講演で上岡社長から「栃木県内にも同じように頑張る仲間がいて、栃木の技術や思いが世界に繋がり、途上国の課題解決の一助になれば良いと思っている」との発言がありましたが、JICA筑波では、今後とも県内企業に役立つ情報提供やセミナー開催などを通じ、里山エネルギー株式会社に続いて海外展開を目指す企業を支援するとともに、地域経済の活性化にも寄与してまいります。

【お問い合わせ】
JICA筑波 研修業務・市民参加協力課 小峯、實方
Tel:029-838-1117
E-mail:Komine.Kenji@jica.go.jp