研修への参加を通じて学生が農業機械製作の現場を体験!

2017年9月5日

鉄板等材料のカット・穴あけ。

脱穀部分の溶接、組立。ボルトの部分を稲穂に当て籾と藁に分離する。

組み立てられた稲用の脱穀機。

脱穀機の運転。籾が脱穀機の下に集められ、分離された藁は遠くに飛ぶ。

プログラムで得た知見を発表する学生。

JICA筑波では農業機械の持続可能な利用を通じ、小規模農家の農業経営改善を目的にした研修コースを実施しています。
 8月中旬の5日間、本研修コースにJICA筑波が実施する「大学生・大学院生向け国際協力理解講座」の院生2人、学部生2人が参加し、農業を機械化すべき背景や機械製作を学びました。

 農業機械利用を適切に営農計画に組み込むためには、経営指導を行う立場にある者が、農業機械の構造を知り、正しい操作やメンテナンス・修理等をどうすれば良いかを把握し、機械の利用・維持管理費用の低減、適期作業による収量増加や収入向上、省力化等の実現を考慮することが重要になります。
 このことを習得するために、コースに参加している研修員は、色々な農業機械の製作実習を通じて機械の構造を理解していきます。農作物の栽培には圃場の耕起から播種、除草、収穫、脱穀等様々な農作業の過程がありますが、農業機械化は、これらの作業の中で重労働であるものから着手・解決を進めていくことが基本です。重労働からの解放(省力化)は人件費の抑制等経営面の改善にもつながります。
 農作業の大部分を人力に頼っている開発途上国では、一般的には耕起や脱穀等が重労働と言われています。ただし、耕起が比較的時間に余裕があるのに対し、脱穀は適期が限られています。適期を逃すと苦労して育てた穀物の品質が劣化し、損失や食味の大きな悪化、あるいは市場価値も低下します。このため精密かつ短時間に脱穀を可能とする機械化は途上国の農家を支援するための最優先事項の一つです。

このような背景から、学生たちに稲用脱穀機の製作実習の時期に参加してもらい、なぜ脱穀機の役割を知ることが重要であるのかについて把握してもらうようにしました。
4人の学生の参加の背景は様々です。院生の一人はガーナからの留学生で、母国では農業機械化政策に関わっており製作の現場を知りたいという動機で参加、もう一人の院生は青年海外協力隊でウガンダに農業機械隊員として短期派遣を経験し、来年から本格的に農業機械の協力隊員として活動するために更なる技術の習得を目的に参加しました。学部生2人も農作業体系の中における農業機械の役割を知りたい、あるいは技術体験だけでなく研修員とも交流し、将来国際協力に関わるきっかけを作りたいという熱い気持ちを持っていました。

製作は研修員と学生が部品ごとにグループを組み、材料を加工するところから始め、組立を行いました。皆、初めて経験する作業も多く、スケジュールどおりにはなかなか進みませんでしたが、最終日に何とか脱穀機の操作をするところまでこぎつけました。
「百聞は一見にしかず」という諺がありますが、学生たちは、見ることは勿論のこと、更に触る、作る、組み立てるまでに参加し、非常に貴重な体験を得られました。
4人が将来、今回のプログラムをきっかけに、母国あるいは海外において適切な農業機械利用を通じた農家支援のために活躍することを期待しています。