トルコにおける日本の国際協力60周年記念式典の開催-二国間関係を更に深め発展させていく機会に-

2019年11月12日

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今年はトルコへの政府開発援助(ODA)支援が開始されてから60周年の節目の年です。イスタンブールの第二ボスポラス大橋やボスポラス海峡横断地下鉄(通称:マルマライ)は日本とトルコの友好事業としてだけでなく、日本のODA支援を代表する事業として広く知られています。JICAはその他にもインフラ事業や、農水産業、省エネルギー、職業訓練など様々な分野での技術協力を通じてトルコの発展に貢献しています。

日本とトルコは、両国の助け合いで固い友好の歴史を刻んできました。1890年和歌山県沖で難破したトルコ軍艦船員約70名を沿岸住民が救った「エルトゥールル号事件」に始まり、1988年イラン・イラク戦争下、トルコ航空機がテヘランで孤立した邦人約200名を日本に帰還させた「テヘラン脱出」、1999年トルコ北西部地震における日本の支援活動、2011年東日本大震災におけるトルコからの救援活動などがあります。こうした関係の中で60年前、トルコから3人の研修員が派遣され、日本のトルコ向けODA事業が始まりました。その規模はこの60年間で、累計約7,500億円に上り、これまでのべ4000人以上が日本での研修に参加しました。近年では防災・災害対策の支援のほか、トルコが360万人を超える世界最大のシリア難民受け入れ国であることを踏まえ、難民と受け入れコミュニティ双方に資する支援を行っています。

この60年を記念したイベントが、11月12日に首都アンカラで開催され、約200人が参加の下、盛大に行われました。式典では、駐トルコ宮島 昭夫大使、JICA戸田 隆夫上級審議役、トルコ側からアクス国庫財務省副大臣、カバクルオール国防副大臣(元トルコ日本友好議連会長、元JICA研修員)、シャーヒン・ガジアンテップ市長(全国市長連盟会長、元家族社会政策大臣)などの政府要人が出席しました。冒頭、JICA戸田上級審議役から、トルコと日本の人々の信頼関係こそが60年間かけて培った何物にも変えがたいものであると挨拶がなされ、宮島大使からは、ODAを通じてトルコと日本の絆が深まり、両国の友好と明るい未来が広がることへの期待が述べられました。トルコの各要人からは、これまでのJICAからの協力がトルコの発展と両国関係に大きく貢献してきた、トルコと日本は他国には見られない深い絆で結ばれている、シリア難民支援のように日本はトルコが本当に困っているときに手を差し伸べてくれるなど謝意が表せられるとともに、日本・JICAからの引き続きの協力への高い期待が寄せられました。

トルコの経済発展が進む中、最近では、日本とトルコの間で企業・自治体・学術界・市民団体との連携・交流が深まるとともに、トルコも日本から支援を受けた経験を生かしてアフリカや中央アジアなど、他国への支援を積極的に展開しています。JICAとしては、これらの分野を含め、トルコの様々な協力の必要性に応えながら、今後もトルコとの協力関係を深めていきたいと考えています。この60周年イベントがそのよい機会になることが期待されます。

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式典後の記念撮影

(注)JICAのトルコでの活動をビデオにしていますのでぜひご覧ください。