チャングワリ難民居住区訪問-インターンから見た国際協力-

2019年3月6日

JICAインターン
鋪田かんな

貧困、劣悪な生活環境、テントやコンテナが立ち並ぶ光景。これらは私が難民居住区を訪問する前に抱いていたイメージでした。しかし、実際に訪れたチャングワリ難民居住区は想像していたものとは全く違うものでした。

チャングワリ難民居住地区は、ウガンダ西部にあたるホイマ県に位置し、隣接するアルバート湖の反対側は、コンゴ民主共和国(DRC)です。ここのほとんどの難民が、DRCから来ています。

ウガンダの難民受入体制

ウガンダは、世界で最も難民受け入れに寛容な国の一つだといわれています。そして受け入れた難民たちが滞在する場所を『難民キャンプ』ではなく、『難民居住区』と呼んでいます。それは、ウガンダの難民受け入れ体制が、『農村集落』という形を選択しているからです。難民をキャンプに入れてしまい、その移動を規制するという一般的な方法とは大きく異なり、教育や医療サービスなどの提供を行うだけでなく、移動や就業の自由も認められています。訪れたチャングワリ難民居住区には、レストラン等の店舗が立ち並び、難民居住区と言われなければそこは普通の村だと思ってしまうようなものでした。また、ここチャングワリ難民居住区では、国連難民高等弁務官(UNHCR)をはじめ、多くのNGOなどが支援活動を行っています。JICAからも過去にコメ振興のための取り組みを行ってきました。

今も残る青年海外協力隊員の活動の成果

この難民居住区では、農業によって生計を立てている世帯が大半です。難民世帯の収入の向上を目的に、2013年から合計5名の青年海外協力隊員たちが稲作技術の指導を行っていました。今回の訪問では、隊員から指導を受けていた難民の方々にお会いすることができました。彼らは現在も、指導を受けた栽培方法を継続しており、年々収穫量を増やしていました。しかし、2018年中頃からのコンゴ民主共和国での選挙前後の混乱などを受けて難民が増加しています。それに伴い、各世帯が利用できる土地の面積が縮小してきており、ますます限られた土地を有効活用していく必要があります。

ボランティア派遣の裏側-調整員の仕事

現在ウガンダには48人のJICAボランティアが活動しています。派遣までには、ボランティア調整員と呼ばれるJICAスタッフが、仕事内容や安全面について何度も現地を訪問し、調整を行います。現地NGOとの打ち合わせや、難民の方々との顔合わせに同行させていただいた際、調整員と現地の人々との信頼関係があることを強く感じました。特に、難民居住区内の住居を訪問した際は、現地の人々と真摯に向き合い、相手の立場になって考えられるJICAスタッフの方々の誠実さが、難民の方々にも伝わっているようでした。JICAボランティアが現地で活動し、成果を生むということは、JICAを代表して話を進めてきた調整員と、現地の人々の信頼関係があって初めて生まれるものであると感じました。

JICAインターンとしてチャングワリ難民居住区を訪問して

人生で初めて、難民と呼ばれる人々に出会いました。率直に感じたのは、彼らの生きる力の強さです。DRCからウガンダまでたどり着けない難民も多いなか、まずここにたどりついたこと。そして家も畑も自分で作っていること。母国を去らなければならない状況で、これからどう生きていくのか。自身に置き換えて考えることがとても難しかったです。

居住区内にきれいな水や食料が用意されていたり、支援しているNGOが近くにあったりすることは素晴らしいことではありますが、一方で居住区の周辺の地区のほうが厳しい環境にあるのかもしれません。実際にこのような問題により、難民受入体制を厳しくしている国も多いことを耳にしました。今後、難民受入と既存住民、どちらをもサポートできる対策が必要となってくると感じました。

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収穫した米を確認している様子

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ボランティア調整員と過去に関わった住民

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難民居住区内に支給されている水