現地で見るアフリカの課題と解決のビジネス-インターンからみた国際協力-

2019年3月6日

JICAインターン
鋪田かんな

1月28日(月)から29日(火)にかけての2日間、JICAウガンダは2019年8月横浜で開催されるTICAD 7(東京アフリカ開発会議)に向け、技術・ノウハウ、海外展開のアイデアが途上国でどう活きるのか、JICAが実施した「現地課題確認調査(日本企業のスタディツアー)」を受け入れました。今回、私もインターンとしてスタディツアーに同行させていただきました。

ツアー目的と概要

アフリカ開発をテーマとする国際会議TICAD7(Tokyo International Conference on Africa Development)が、2019年8月に横浜で開催されます。JICAでは、民間連携事業としてビジネスを通じた現地の課題解決を支援しています。アフリカ・ウガンダのさらなる課題解決のために、今回は以下の企業に参加して頂き、現地の課題を確認することを目的としたスタディツアーを実施しました。参加頂いた企業様は、保健分野と水・衛生分野の二つのグループに分かれ、公的機関や現地民間企業の現場視察を通じ、現地の課題把握、ビジネスの検討、関係者とのネットワークづくりを促進するための意見交換を行いました。これにより、日本におけるアフリカ・ウガンダのビジネス促進につながることを期待しています。

日本からの企業(敬称略)は、鉱研工業株式会社、株式会社ヨコハマシステムズ、株式会社シュークルキューブジャポン、富士フィルム株式会社、株式会社日さく、西村医科器械株式会社、自然電力株式会社の合計7社が参加しました。

ビジネスとしての保健サービスの提供

保健チームは、地域に根差した保健サービスを提供するLiving Goods社、遠隔で尿検査サービスを提供するHerHEALTH社、モバイルでの医療積立サービスを提供するClinic Pesa社、モバイルでの看護師派遣サービスを提供するTEHECA社に加え、政府機関である エンテベ病院、National Medical Storeを訪問しました。この中でも、実際にどんな活動をしているのか、現場視察を行ったLiving Goods社を紹介します。

Living Goods社は、地域に根差した健康管理を行うウガンダ企業です。同社が契約するコミュニティヘルスワーカー(CHW)と呼ばれるボランティアがコミュニティにおいて保健衛生活動を行い、住民がなにか不調を感じたときに気軽に相談できる、身近な診療所のような機能を担っています。コミュニティの一軒一軒の家庭を訪問することで、地域の人々の健康状態をきめ細やかに把握し、また安全な出産を促進する製品(例:栄養補助食品)などもその場で販売することができています。同社はウガンダだけでなく、ケニア、ザンビア、ミャンマーでも事業を展開しているとのことです。

CHWはLiving Goods社に貸与されたスマートフォンアプリを利用し、訪問した妊婦や子どもの医療データを蓄積しています。つまり、情報を入力すると次回いつその人をフォローすべきかなどのタスクが自動的に表示され、専門知識が十分でないCHWでも適切なサービスや助言を行える工夫がされていました。また、妊婦検診の教材には、字が読めない人でも対応できるよう絵を多用したフリップを使用したり、薬代を払えない人に対しては、分割払いにして薬を販売したり、より多くの人々に保健サービスを届けるための工夫が多くありました。

Living Goodsはより多くの人々に医療サービスを提供することを目標としているため、これらの工夫はCHWによって提供する医療サービスの質に違いが出ないようにする工夫でもあると思いました。

JICAボランティアが残した新しい井戸管理システム

水・衛生チームは、Spouts of Water社, National Water And Sewerage Corporation、JOELEX社を訪問しました。また、これらの企業訪問に加え、実際に地方給水施設の維持・管理のコミュニティの住民と共に取り組んでいる青年海外協力隊の任地に足を運び、活動視察を行いました。

訪問したのは、首都カンパラから車で2時間ほどの距離にあるゴンバ県。ここには2017年1月から1年間、コミュニティ開発の職種で青年海外協力隊として活動された、坪井彩さんが村の住民と協力して作った井戸管理システムがあります。坪井さんは先日日本に帰国されたため、今回は近隣で活動している同じく青年海外協力隊の川島さんに案内してもらいました。

ウガンダの井戸施設の80%は適切に維持・管理できていないと言われています。ウガンダでは、住民によって井戸管理が行われていますが、修理代を地域住民から回収できないことが主な原因で、故障したまま放置された井戸も多いのが現状です。そこで坪井さんと川島さんは、コミュニティによる井戸料金管理システムSundaをこの村に導入し、地域住民の井戸管理をサポートする活動をしていました。

この井戸料金管理システムSundaは、モバイルマネーによって料金回収をしています。つまり、事前に井戸の使用料金をモバイルマネーで支払うと、村人に事前に配布されたIDカードに同料金がチャージされ、そのIDカードを井戸に差し込むと、払った分だけ水が出るという仕組みになっています。機械による井戸の制御、入金を含む一連の流れを見える化するとともに、料金回収による手間がなくなることで利用者の管理者も、非常に使いやすくなりました。その結果、井戸の修理に必要な資金が十分積み立てられるとともに、井戸の稼働率は上がり、より多くの人々に安全な水が届けられています。

参加された企業の方たちはこのシステムに非常に興味をもち、質問の嵐でした。また私個人としては、村人たちから、『この井戸管理システムのおかげで、村人は助かっているよ』、『坪井さんのようなボランティアがこの村に来てくれて本当に良かった』などといったボランティアへの感謝の声を直接聞けたことがとても印象的で、JICAボランティアの草の根支援を肌で感じることができました。

【画像】

フィールドワークの様子

【画像】

Living Goods社訪問の際の保健チーム集合写真

【画像】

Sundaシステムを導入した井戸

【画像】

案内してくれた川島さんと、Sundaシステムに携わっているエンジニア、村長