合同調整委員会(JCC)の開催:公共放送組織体制強化プロジェクト

2022年2月17日

2022年1月25日、JICAはウクライナ放送局(PBC)及び専門家チームと共にJCCを開催し、2017年から約5年に亘り実施されてきたプロジェクトの成果につき総括を行いました。

JCCには、PBCのMykola Chernotytsky会長およびプロジェクトに携わってきたPBCスタッフ、本プロジェクトに従事するJICA専門家チーム(NHKインターナショナル)、及びJICAよりガバナンス・平和構築部の澤田次長、橋本国際協力専門員、ウクライナ・フィールドオフィスのスタッフが出席し、2017年から実施してきた本プロジェクトの活動報告および成果のレビューを実施しました。

JICA専門家チームからは本プロジェクトの各活動により多くの成果が実現されたとの点が報告され、緊急・選挙報道の実施に関しては各種ワークショップを踏まえた各種マニュアルの整備がなされたこと、番組制作における新しいコンテンツ(人形劇「Dodolyky」、障害者ドキュメンタリー番組「Razom」、若者向けの番組「Sho?Yak?」など)がPBCスタッフにより制作・放送されたこと、及び放送機材の操作やメンテナンスに関する能力向上が図られたことについて、具体的な成果の内容が発表されました。

これを受け、JICA澤田次長から「本日のJCCでの議論を踏まえ、PBCの放送機材の維持管理能力強化、番組制作能力強化、緊急・選挙報道の体制構築など、プロジェクトの目標が達成されたことを確認できた。JICAとしては今後も本プロジェクトを通して獲得した知識・技術がPBCにより活用されていくことを期待する」との総括を行いました。また、JICA宮尾専門家からは「JICA専門家は、PBCスタッフに単にノウハウを教えるのではなく、共に課題を洗い出し、解決策を考え、改善のアクションを取るという協働スタイルによりプロジェクトを実施した。その意味で、PBCは公共放送の世界における私たちのパートナーであり友人である」として、今次プロジェクトにて適用された技術協力のスタイルについて改めて説明がなされると共に、パートナーとしてのPBCに対する謝辞が伝えられました。

当日午後には、日本政府の無償資金協力でPBCに供与された放送機材の引き渡し式が開催されました。これら機材の導入により、1つの制御室からPBC内の4つのスタジオを同時並行で制御可能となり、効率的かつ効果的に高品質の番組作成が可能となります。式典に出席された松田邦紀大使からは「今般供与された高品質な放送機材を活用いただき、ウクライナにとって有用なコンテンツを作成することで、質の高い公共放送の確立を推進して欲しい」とのメッセージがありました。また、PBCのMykola Cerhnotytsky会長からは、JICAの技術協力の成果に対する高い評価、日本政府の無償資金協力による機材供与に対する謝意、及び日本による協力の継続について期待が示されました。

今回実施されたJCCにて本プロジェクトは終了となりますが、JICAは今後も公共放送局としてのPBCの更なる能力強化に向けた支援・協力を継続していきます。

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JCCにおける成果発表(専門家チーム)

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機材引渡式にて

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機材引渡式参加者

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