「大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト フェーズ2(J-PRISMII)」のキャパシティ・ディベロプメント(CD)活動の紹介

2019年12月24日

中村美都子(能力強化専門家)

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個別インタビューによるキャパシティ・アセスメントの例(気候変動省環境保護局)

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グループインタビューによるキャパシティ・アセスメントの例(ポートビラ市役所)

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より的確な助言を行うために現場視察や周辺状況の確認なども行う。

J-PRISMIIでは、廃棄物管理にかかる基盤(人材や組織・制度)を総合的に強化するため、プロジェクト活動を通じたカウンターパート機関のキャパシティ・ディベロップメントを特に重視しています。キャパシティ・ディベロップメントを、「個人、組織、制度や社会が、個別にあるいは集合的にその役割を果たすことを通じて、問題を解決し、また目標を設定してそれを達成していく“能力”(問題対処能力)の発展プロセス」ととらえ、その能力を適切に把握するためにキャパシティ・アセスメント(注)を行い、その能力や周囲の条件に応じて、専門家とカウンターパートが計画立案、意思決定、実行において緊密に協働すること、専門家がファシリテーターの役割を果たすことに努めています。

バヌアツでは、カウンターパート機関である気候変動省環境保護局(DEPC)、ポートビラ市役所(PVMC)を対象に、プロジェクト開始直後の2017年4月に第1回キャパシティ・アセスメント(ベースライン)、2019年12月に第2回キャパシティ・アセスメントが行われました。その結果、DEPCは、国家戦略に基づいた地方自治体(州・市)における廃棄物管理計画の指導を、また、PVMCは、廃棄物管理計画を通じたごみ収集運搬計画の改善策の検討を、専門家と協働することで、各々の廃棄物管理における役割に応じた能力の基盤が徐々に強化されつつあることが確認されました。今後もプロジェクト活動を通じて、バヌアツの廃棄物管理の改善に向けて、より多面的に能力強化が発現されることが期待されます。

(注)『キャパシティ・アセスメント・ハンドブック-キャパシティ・ディベロップメントを実現する事業マネジメント-』